著者
佐藤 広英 太幡 直也
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集
巻号頁・発行日
vol.5, pp.29-40, 2018-03-15

本研究の目的は,高齢者がインターネット利用に対してどのようなリスク,ベネフィットを認知しているのか,その具体的な内容を若年者との比較を通して検討することであった。高齢者および若年者を対象とする半構造化面接の結果,高齢者は若年者よりも詐欺被害に遭うリスクやウイルスに感染するリスクを認知していること,ネット自体に対する不安・恐怖を認知していること,インターネット上でのコミュニケーションに関するリスクをあまり認知していないことが示された。ベネフィット認知については,高齢者,若年者を問わず,情報収集の容易さや速さに対してベネフィットを認知していることが示された。その他,高齢者,若年者それぞれのインターネットの利用目的に対応したリスクやベネフィットが多く認知されることが明らかになった。