著者
佐藤 広英
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.127-129, 2021-12-17 (Released:2021-12-17)
参考文献数
9
被引用文献数
1

In recent years, with the widespread use of smartphones, many people have begun to take selfies and embellish them to be more attractive using smartphone applications. The present study examined the effects of embellishment of facial selfies on self-esteem and positive mood. Sixty-two university students participated in the experiment and were assigned to one of two conditions (embellishing condition or control condition). The participants took facial selfies, embellished them, and then measured their self-esteem and positive mood. The results showed that self-esteem increased more in the embellishing condition than in the control condition. The positive mood was slightly higher in the embellishing condition than in the control condition only for the group with high facial self-evaluation.
著者
太幡 直也 佐藤 広英
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.26-34, 2016-07-01 (Released:2016-06-04)
参考文献数
23
被引用文献数
2 2

本研究の目的は,ソーシャル・ネットワーキング・サービス上での自己情報公開を規定する心理的要因を検討することであった。mixi利用者1,051名を対象にウェブ調査を実施し,プロフィール上での自己情報公開や,情報プライバシーなどの心理的要因に関する項目に回答するように求めた。その結果,自己の属性情報(e.g., 性別),識別情報(e.g., 本名)への情報プライバシーが低いほど,不特定他者への自己情報公開数が多く,また,プロフィール上の自己表出性が高かった。一方,人気希求,犯罪被害へのリスク認知が高いほど,プロフィール上の自己表出性が高かった。
著者
金森 祥子 野島 良 岩井 淳 川口 嘉奈子 佐藤 広英 諏訪 博彦 太幡 直也
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.2, 2017-10-16

サービス提供者が, ユーザのパーソナルデータを収集・利用する場合, 事前にサービス提供者とユーザの間で合意形成が必要とされている. その方法の一つとして, 現在, プライバシーポリシーを提示する方法が広く普及している. しかし, 一般にプライバシーポリシーは長くて難解であるため, 読んでいないユーザが多いとされている.本研究では, 利用するサービスによって,ユーザがプライバシーポリシーを読む度合いが異なることを調査したので報告する.さらに, プライバシーポリシーを読んだ際に, ユーザにとって,具体的にどのキーワードが理解が難しかいのかについても調査したため合わせて報告する.
著者
太幡 直也 佐藤 広英
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.235-245, 2019-03-01 (Released:2019-03-12)
参考文献数
25
被引用文献数
2

本研究では,Twitter上での他者情報公開を規定する心理的要因を検討した。Twitterを利用する高校生,大学生を対象に,web調査にて,Twitter上での最近1か月の友人,知人に関する他者情報公開や,プライバシー意識などの心理的要因に関する尺度に回答するように求めた。その結果,自己のプライバシーを意識せず,プライバシーを維持する行動をとりにくい者ほど,他者情報公開数が多かった。加えて,人気希求,犯罪被害リスク認知が高い者ほど,他者情報公開数が多かった。一方,他者のプライバシーの意識しやすさ,他者のプライバシーを維持する行動のとりやすさは,他者情報公開数とはほとんど関連はみられなかった。上記の結果は,高校生,大学生ともにみられた。
著者
菊池 聡 佐藤 広英
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集 = Shinshu studies in humanities (ISSN:24238910)
巻号頁・発行日
no.7, pp.71-86, 2020-03

In order to examine relationships between Twitter use and pseudoscientific beliefs, we conducted two online surveys of individuals in a wide age range and received 2,879 answers. The analysis of these answers suggested that Twitter use and pseudoscientific beliefs are closely related to each other but that their interaction varies according to Twitter viewing frequency and purposes, the kind of pseudoscientific beliefs in question, and Twitter user's information-processing style. In general, some of those who use Twitter very often and rely on their intuition tend to believe in a certain kind of pseudoscientific beliefs. In the surveys, we also requested to describe what kind of pseudoscientific beliefs are the most familiar and pseudoscientific beliefs regarding medical and health care are most often named.
著者
太幡 直也 佐藤 広英
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.69-71, 2023-07-24 (Released:2023-07-24)
参考文献数
11

Researchers have defined privacy consciousness as the extent of awareness regarding privacy for the self and others. This study investigated the relationship between privacy consciousness and narcissistic personality—an exaggerated sense of self-importance. University students (N=155) responded to scales assessing privacy consciousness for the self and others. Additionally, scales were employed to assesses narcissistic tendencies, including hypervigilance and obliviousness. The results indicated that participants who scored higher on hypervigilance tended to report taking actions to preserve their privacy. Moreover, those who scored higher for both obliviousness and hypervigilance were less likely to act to maintain others’ privacy.
著者
佐藤 広英 吉田 富二雄
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.559-566, 2008-02-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
20
被引用文献数
3 3

The effects of anonymity on self-disclosure were investigated in a CMC (computer-mediated communication) situation by separately manipulating the anonymity of the self and the other. It was hypothesized that anonymity of the self would enhance disclosure, whereas anonymity of the other would decrease it. Female undergraduate students (n=60) were randomly assigned to a 2 (self: anonymous or non-anonymous)×2 (other: anonymous or non-anonymous) experimental design. The anonymity of the self and the other was manipulated in the profile, such as the photo, name, and sex of the self or the other, on the computer screen. The results indicated that anonymity of the self decreased the feeling of anxiety, but had no effect on disclosure, whereas anonymity of the other decreased the feeling of closeness and decreased the intimacy of disclosure.
著者
山本 輝太郎 佐藤 広英
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.183-191, 2022-02-20 (Released:2022-03-15)
参考文献数
21

本研究ではオンライン掲示板でのコミュニケーションにおいて,ファシリテーション的介入が参加者に及ぼす影響を実験的に検討した.「深海には,絶滅したと思われている古代の生物の子孫がまだ生き残っている」「銀河系内には地球と同じような生命を持つ惑星が存在する」という科学的な内容に関連する二つのトピックを設定し,ファシリテーションの有無を条件として実験参加者に議論をさせた(ランダム化比較試験).ファシリテーター役は毎日,その日の議論を整理するなどの介入を行った.実験の結果,ファシリテーションありの掲示板ではなしの掲示板と比較して参加者の攻撃的なコメントや集団極性化が抑制され,批判的思考態度が向上した.オンライン掲示板におけるファシリテーションの有効性が示唆された.
著者
太幡 直也 佐藤 広英
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.26-34, 2016
被引用文献数
2

本研究の目的は,ソーシャル・ネットワーキング・サービス上での自己情報公開を規定する心理的要因を検討することであった。mixi利用者1,051名を対象にウェブ調査を実施し,プロフィール上での自己情報公開や,情報プライバシーなどの心理的要因に関する項目に回答するように求めた。その結果,自己の属性情報(e.g., 性別),識別情報(e.g., 本名)への情報プライバシーが低いほど,不特定他者への自己情報公開数が多く,また,プロフィール上の自己表出性が高かった。一方,人気希求,犯罪被害へのリスク認知が高いほど,プロフィール上の自己表出性が高かった。
著者
太幡 直也 佐藤 広英
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.92, no.3, pp.211-216, 2021 (Released:2021-08-25)
参考文献数
18
被引用文献数
1

This study investigated the relationship between privacy consciousness for others and disclosing others’ information on Twitter. A model was developed based on a previous study in which this relationship was mediated by concern for others’ privacy on Twitter. 153 undergraduate participants who were regular Twitter users were asked to respond to a questionnaire inquiring about disclosing information about friends and acquaintances on their Twitter accounts during the past month. Participants also responded to scales assessing consciousness about others’ privacy and concerns about others’ privacy on Twitter. As expected, the results supported our predictive model. However, there was no significant direct relationship between privacy consciousness for others and disclosing others’ information on Twitter.
著者
佐藤広英 宮脇奈々美#
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第60回総会
巻号頁・発行日
2018-08-31

問題と目的 SNS(social networking services)上では,さまざまなストレッサーが存在することが報告されている(総務省, 2013; 佐藤・矢島,2017)。それと同時に,SNS上で愚痴や文句を投稿してストレス発散を行うという報告もみられ(アメリカンホーム保険,2011),ストレス・コーピングが行われている。従来,SNS上におけるストレッサーに焦点をあてた研究は行われているが,SNSにおけるコーピングに焦点をあてた研究は少ない。本研究では,SNS上におけるコーピングの程度を測定する尺度を作成することを通して,SNS上におけるコーピングが精神的健康に及ぼす影響を検討した。方 法 予備調査 面接調査によりSNS上におけるコーピングに関する項目を収集した後,大学生278名(女性116名,年齢:M = 19.18,SD = 1.05)を対象に質問紙調査を実施した。SNS上におけるコーピングに関する33項目についてカテゴリカル因子分析(重みつき最小二乗法,プロマックス回転)を行った結果,5因子31項目が抽出された。具体的な項目はTable 1に示した。 本調査 クロス・マーケティング社に委託し,ウェブ上でSNS利用者(LINE,Twitter)を対象とする2波のパネル調査を実施した。1回目(2017年10月)は大学生478名(女性245名,年齢:M = 20.30,SD = 1.33),2回目(2017年11月)は大学生200名(女性105名,年齢:M = 20.54,SD = 1.27)を有効回答とした。両調査において,(a)SNS上におけるコーピング尺度(予備調査で作成),(b)心理的ストレス反応尺度(鈴木他,1997),(c)SNS利用状況などに回答を求めた。結果と考察 SNS上におけるコーピングと精神的健康との因果関係を検討するために,交差遅れ効果モデル(Finkel, 1995)を用いて分析を行った(Table 2)。モデルの適合度は,CFI=1.00,RMSEA=.00~.04であり,十分に高い値であった。得られた結果は次の三点に整理された。第一に,LINE上で問題解決を多く行うほど,ストレス反応が高まることが示された。第二に,Twitter上で各種コーピングを多く行うほどストレス反応が高まり,特に問題解決の効果が大きいことが示された。第三に,ストレス反応の高い者ほどTwitter上で対決を多く行うことが示された。以上の結果,SNS上におけるコーピングは,ツール間の差異はあるものの,総じて精神的健康を損ねることが明らかとなった。
著者
佐藤 広英
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.17-28, 2012-09-30 (Released:2017-05-02)
被引用文献数
2

本研究の目的は,他者の匿名性を情報の種類の観点からとらえ,コミュニケーション行動に及ぼす効果を検討することであった.研究1では,匿名性を他者情報の種類の観点から分類するため,CMC場面を想像させる場面想定法を用いて検討を行った.その結果,他者情報は,私的情報,属性情報,識別情報に分類され,特に他者の属性情報が初対面の相手に対するコミュニケーション行動に影響を及ぼす可能性が考えられた.研究2では,匿名なCMCにおいて他者の属性情報を実験的に操作し,コミュニケーション行動に及ぼす効果を検討した.結果は次の3点に集約された.第一に,他者の属性情報は,効果は弱いものの,コミュニケーション中の不安感を低減させ,発言量を促進することが示された.第二に,他者の属性情報は,敬語表現の増加やパラ言語の減少など,対面場面に近いコミュニケーション行動を促進していた.第三に,自己開示および親密感に対する他者の属性情報の効果は見られなかった.最後に,他者の私的情報および識別情報による効果について考察を行った.