著者
太田 寛志 佐治 斉 中谷 広正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.7, pp.1129-1139, 1999-07-25
被引用文献数
32

顔面筋に基づく顔構成要素モデルを用いた表情の認識手法を提案し, 表情の時間的変化の認識について述べる. 顔モデルは, 眉・目・口それぞれの顔構成要素の可変モデルからなる. 各モデルは数個の制御点と顔面筋の収縮方向のベクトルで構成される. 制御点の移動方向は顔面筋が収縮する方向と一致しているため, モデルの変形は実際の顔構成要素と同じ変形規則をもつ, 顔動画像にモデルをマッチングさせることで, 顔構成要素の動きの追跡ができ, 顔面筋の収縮度が求められる. 得られた収縮度を要素とする表情パターンと, あらかじめ決定されている表情標準パターンとを比較することで各表情の表出度が得られる. 表情表出度は, 顔に表れている表情のめいりょうさを示しており, 値の大小から表情を識別する. また, 表情表出度の時間的変移から表情の発生・持続・終了を検出できる.