著者
太田 寛志 佐治 斉 中谷 広正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.7, pp.1129-1139, 1999-07-25
被引用文献数
32

顔面筋に基づく顔構成要素モデルを用いた表情の認識手法を提案し, 表情の時間的変化の認識について述べる. 顔モデルは, 眉・目・口それぞれの顔構成要素の可変モデルからなる. 各モデルは数個の制御点と顔面筋の収縮方向のベクトルで構成される. 制御点の移動方向は顔面筋が収縮する方向と一致しているため, モデルの変形は実際の顔構成要素と同じ変形規則をもつ, 顔動画像にモデルをマッチングさせることで, 顔構成要素の動きの追跡ができ, 顔面筋の収縮度が求められる. 得られた収縮度を要素とする表情パターンと, あらかじめ決定されている表情標準パターンとを比較することで各表情の表出度が得られる. 表情表出度は, 顔に表れている表情のめいりょうさを示しており, 値の大小から表情を識別する. また, 表情表出度の時間的変移から表情の発生・持続・終了を検出できる.
著者
河合 荘景 佐治 斉
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.46-58, 2008

大規模な地震災害直後に被災地において救助・支援活動を行うためには、車両の移動経路を確立することが必要となる。そのためには広域道路情報を早期に迅速に把握することが必要となる。この目的のため、撮影時に災害による影響を受けにくく、広域に渡り早期に情報を得られる航空画像を用いることは有効である。本研究では、地震災害発生後に撮影された航空画像とディジタル地図を用いて、都市部における建物倒壊による道路閉塞領域を抽出する手法を提案する。具体的には、エッジや色情報を用い、道路被害や建物倒壊が発生している場所を抽出し、それらの隣接関係を用いることにより高精度に道路閉塞状況を抽出するものである。提案手法に基づき計算機上にソフトウェアを作成して実際の航空画像を解析し、手法の有効性を示した。
著者
片岡 祐介 岩口浩章 佐治 斉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.87, pp.109-116, 2001-09-13
被引用文献数
1

本論文では、より細かな表情認識を目的として、笑顔に着目し、快・不快・社交的の3つの笑顔に分類する方法を提案する。まず、目・口・眉の構成要素の追跡を行い、次に、表情筋の6グループの動作と追跡結果を適合させる。最後に、どの表情筋の動作により各笑顔が表出されるかを観察することにより、笑顔の分類基準を検討する。In this paper, we propose the method of classifying a smile into pleasantness, unpleasantness, and sociability for recognition of facial expressions in detail. First, we track the facial components, such as the eyes, mouth and eyebrows. Second, we match the tracking result with the motions of the six groups of facial muscles. Finally, we investigate the criterion for classifying the smile by observing which musule motion creates the smile.
著者
佐治 斉 田村 裕之 市川 朗
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、地震をはじめとする大規模災害時において、被災地状況とその周辺の広域道路状況などを一括把握でき、円滑・迅速な救助活動に供することを目的とするものである。そのため、画像情報や地図情報を統合活用し、被災地周辺の個別特徴情報をそれぞれ抽出し、さらにそれらを連携して解析をすることで、大規模災害時での救助活動に必要な被災地周辺情報を自動生成できる画像解析手法を検討し、試作システムを構築した。
著者
齊藤慎也 佐治 斉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.91, pp.33-39, 2004-09-10

人物全体をテンプレートとしたマッチングによる人物の動作追跡では,テンプレート内に含まれる背景領域や人物の姿勢変化などにより誤追跡となりやすい.そこで本研究では,人物全体を囲む領域をテンプレートとして抽出した後,人物の形状に合わせてテンプレート領域を分割・統合してマッチングを行う動作追跡システムを提案する.まず,背景差分を利用して人物領域を抽出し,その領域を囲むようなテンプレートを作成する.そして,テンプレート内に背景領域と人物領域が混在している場合は,テンプレートを4つのブロックに分割し,逆に背景領域または人物領域のみの場合は分割しない.この処理を繰り返す.次に,分割されたブロックのうち,背景のみの領域を含むものを削除し,人物の中心に近いものは統合する.実画像上で抽出されたテンプレートに対してマッチングを行った結果,正しい追跡結果が得られた.Human motion is often tracked by matching a template whose area surrounds the human region. However, this method causes mismatching because of the background region and the human form change. We propose a new tracking method using the template matching. In our method, a template is divided and integrated fitting to the human form. First, we extract a template around a human region by computing the difference between the background image and the current image frame. Next, if the template area includes both the background region and the human region, we divide the template into four blocks. If the template area includes only the background region or only the human region, we do not divide the template. We repeat this process. Finally, we delete the blocks including the background area only and integrate the blocks near the human center. We obtain the correct matching result by using the template extracted on the real image.