著者
一戸 健司 太田 栄一郎 鈴木 正三
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.190-197, 1968-10-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

10ケ月齢 (1966年10月) から21カ月齢 (1967年9月) に至る同一日齢のロードアイランドレッド種雄とロードアイランドホワイト種雌の間に得られたF1雛21,926羽, 12カ月齢 (1967年3月)-18カ月齢 (1967年9月) のキンバー系から得られた雛12,918羽を用い, ふ化所要時間の差をふ化開始後3時間ずつ12段階に分けて雛の発生を雌雄別に調査し, 次の結果を得た。1. 種鶏の月齢別に雛のふ化状況をみると, 一般に月齢が進むにつれてふ化初期には雌が多く, 後期には雄が多く発生する傾向が明瞭となり, 特にロードアイランドレッド雄とロードアイランドホワイト雌のクロス雛においては, 危険率5%で月齢区分による雛のふ化所要時間の差とそれに伴う性比の推移に有意差が認められた。また平均ふ化所要時間においても, 種鶏の月齢が進むにつれて雄雛のふ化所要時間と雌雛のそれとの間に大なる差異があるように思われた。2. 種鶏の月齢を無視して産卵季節のみによって考察した場合には, 気温の高い季節が低い季節におけるよりも, 幾分雌雛の平均ふ化所要時間が雄雛のそれに比べて, 短いようであった。3. 上記の2点, 及び先の報告等より, 雛の雌雄の発生状況は鶏種やその組合せによってかなり異なる。