著者
清水 啓 奈良部 孝 伊藤 賢治
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.44, pp.303-305, 1997-11-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
2

臭化メチルの代替技術として, 熱水土壌消毒の殺線虫効果について検討した。95℃の熱水をビニルマルチ被覆下に散水したところ, サツマイモネコブセンチュウ, キタネグサレセンチュウおよびダイズシストセンチュウは地表面下20cmではいずれも良く死滅したが, 40cmでは一部生存虫が認められた。ダイズ根粒菌に及ぼす影響は低かった。
著者
酒井 啓充 串田 篤彦 奈良部 孝
出版者
The Japanese Nematological Society
雑誌
日本線虫学会誌 (ISSN:09196765)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.19-27, 2019-12-20 (Released:2020-06-16)
参考文献数
47
被引用文献数
1 4

ジャガイモシストセンチュウおよびジャガイモシロシストセンチュウの同定診断において、マルチプレックスPCR検定は重要な診断技術の一つである。従来法では、検定結果が陰性の場合にPCRの失敗か非標的種か不明であった。一方、PCR診断における重大な問題としてキャリーオーバー汚染が挙げられる。本研究では、dUTP/UNG系によるキャリーオーバー防止を取り入れた2ステップのマルチプレックスPCR 診断法を考案し、PCR診断技術の信頼性向上と迅速化を図った。併せて、DNA抽出法を簡素化した。本PCR法の結果、ジャガイモシストセンチュウで150 bp、ジャガイモシロシストセンチュウで287 bp、非標的種でおよそ450 bpの産物を生じ、非特異反応は見られなかった。幼虫またはシストの2種混合サンプルを用いた場合、10:1の比率でも両種を検出した。本手法のPCR反応時間は約1 時間で、従来法よりも迅速である。