著者
植原 健人 増田 税
出版者
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

1)国内のジャガイモシストセンチュウ抵抗性トマトはHeroA遺伝子を保持することが明らかとなった。2)ジャガイモシストセンチュウ抵抗性トマトはタバコシストセンチュウ抵抗性である。3)F1抵抗性品種の分離試験を行った。接種試験で抵抗性と感受性の分離比は3:1と考えられる。すなわち単一優勢遺伝子により支配される。4)マイクロアレイ解析を行った。抵抗性品種にタバコシストを接種して3日目と7日目のアレイ解析で、PR1が誘導されており、典型的なサリチル酸系の誘導抵抗性と考えられた。5)抵抗性品種による線虫密度低減試験を行った。抵抗性品種で土壌中のタバコシストの密度が減少した。
著者
植原 健人 百田 洋二
出版者
日本線虫学会
雑誌
日本線虫学会誌 (ISSN:09196765)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.27-30, 2018
被引用文献数
3

<p>タバコシストセンチュウはトマトやナスに寄生し増殖する。タバコシストセンチュウが高密度に増殖した圃場においては、寄主である植物の成長が抑制されることが知られている。線虫の防除法としては、抵抗性品種を利用することが最も効果的で環境への影響の少ない方法である。しかしながら、トマトに対するタバコシストセンチュウの寄生性や増殖性の違いを調査した研究報告は非常に少なく、タバコシストセンチュウに対するトマトの抵抗性は、ほとんど研究されていない。そこで本研究では、タバコシストセンチュウの抵抗性トマト品種を探索するため、複数のトマト品種へタバコシストセンチュウを接種し、その増殖性を調査した。結果としては、タバコシストセンチュウ抵抗性トマト品種が見つかり、具体的には「ドクターK」「シュガーランプ」「キャロル10」「キャロルクィーン」および「チェルシーミニ」の5 品種がタバコシストセンチュウ抵抗性を持つことが確認された。</p>
著者
関本 茂行 植原 健人
出版者
日本線虫学会
雑誌
日本線虫学会誌
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.15-19, 2017

<p>5作物およびカーネーション3品種における日本産クローバシストセンチュウ3 個体群の増殖性をポット試験により調査した。その結果、いずれの個体群もシロクローバ、アズキ、ホウレンソウ、カーネーション「バーバラ」、「チェリーテッシノ」、「ピーチマンボ」においてシストを形成したが、テンサイ、ブロッコリーではシストを形成しなかった。長野県産カーネーション由来個体群は、シロクローバを除くいずれの供試植物においても北海道産シロクローバ由来個体群、青森県産シロクローバ由来個体群に比べて有意にシスト数が多かった。また、3 個体群のカーネーション「バーバラ」におけるシスト数は、カーネーション「チェリーテッシノ」、「ピーチマンボ」に比べて有意に少なく、「バーバラ」が抵抗性型である可能性が示唆された。ホウレンソウ、カーネーション「チェリーテッシノ」、「ピーチマンボ」における3 個体群のシスト数の変異は、日本産クローバシストセンチュウ個体群の増殖性に変異が存在する可能性を示した。</p>