著者
岡澤 孝雄 奥土 晴夫 當間 孝子 比嘉 由紀子 宮城 一郎
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集 第55回日本衛生動物学会大会
巻号頁・発行日
pp.34, 2003 (Released:2003-08-01)

カニアナヤブカの幼虫の主要な生息場所はアナジャコの穴であるが,成虫の重要な活動である交尾,吸血等は穴の外で行われると考えられる.八重山群島,西表島,古見でカニアナヤブカ成虫のアナジャコの穴への出入りの日周期変化を調べた.マングローブ林の周縁のアナジャコの穴約50個を選び,半分は穴から出る蚊の数を調べるために穴の上に常時ケージを設置した.残りの半分の穴は入ってくる蚊を調べるために調査時のみにケージを置いて,中の成虫蚊を細棒を使いケージの中に追い出し,定時的に蚊数を数えた.雄成虫も雌成虫も日暮から夜の0時までに穴を出て,夜明け頃から穴に入り始める.穴に戻る行動は日中も継続的に観察された.雄成虫のスワームは夜明け直後から1時間弱の間, 穴の上に見られ,そこに飛来した雌との交尾行動も観察された.