著者
奥山 忠信 Tadanobu OKUYAMA
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 経営学部篇 = Bulletin of Saitama Gakuen University. Faculty of Management (ISSN:13470523)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-13, 2012-12-01

マネタリズムの基幹理論である貨幣数量説の問題点をフィッシャーの交換方程式を中心に批判的に検討した。主要な論点は、貨幣の流通速度の定義、交換方程式における貨幣量の定義、フィッシャーの交換方程式とケンブリッジ方程式との相違、貨幣数量説における貨幣と物価との因果関係、必要流通手段量説、貨幣と有効需要、などである。
著者
奥山 忠信 Tadanobu OKUYAMA
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 経済経営学部篇 = Bulletin of Saitama Gakuen University (ISSN:21884803)
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-13, 2017-12

物神性論の課題は、資本主義経済あるいは商品経済の特徴を、人と人との関係が物と物との関係になっていると把握し、その根拠を解明することにある。魅力的な課題だが、経済学がこの課題をどのように受け止めるかは確定していない。しかし、この課題は青年期のマルクスの疎外論や唯物史観に基礎を置くものであり、マルクスにとっては欠くことのできない課題であった。とはいえ、その理論内容の形成は、『資本論』を待たなければならない。今日の経済学にこの論理をどのように活かせるかを考察するには、何よりもこの難解な論理を解読する必要がある。本稿は、物神性論の解読という課題に対して、理論形成史を整理することでアプローチするものである。本稿の結論は、物神性論の課題自体は、初期マルクスの疎外論の中に明確に記されているが、その論理は、『資本論』とりわけ価値論の論証と価値形態論が確立することで同時に確立する、ということにある。
著者
奥山 忠信 Tadanobu OKUYAMA
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 経済経営学部篇 = Bulletin of Saitama Gakuen University (ISSN:21884803)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-13, 2015-12

過労死問題やブラック企業問題など、長引く不況と国際競争の激化の中で、わが国の労働条件は悪化している。本稿では、労働力の特殊な性格を踏まえて、労働時間に対する原理的な考察を行った。労働力の回復の条件は、極めて弾力的であり、長時間労働や労働内容の強化の問題は、市場の論理では解決できない問題を多く含んでいる。労働者の闘いや国家による労働者の保護が不可欠な問題と言える。