著者
奥村 弘一 菅 健一
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.147-154, 1985-03-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
23
被引用文献数
1 2

グルコアミラーゼによるアミロペクチン分解反応に対する反応機構を検討し, 定式化した.アミロペクチンの構造分析の結果より, 房状モデルに基づいた簡単なモデル構造を決定した.また, グルコアミラーゼによるアミロペクチンの非還元末端からのexo型分解反応に対して, 分岐点の分解パターンを考慮に入れたMichaelis-Menten型の反応機構を考えた.上述の簡単なモデル基質構造および反応機構から, グルコアミラーゼによるアミロペクチン分解反応に対する反応速度式を得た.反応速度式中の速度パラメータ(Michaelis定数Km,iおよび分子活性k0,1)はアミロースの分解反応に対して得られた結果に基づいて実験式により定式化した.グルコアミラーゼによるアミロペクチン分解反応における反応率および分岐結合(α-1,6結合)濃度の経時変化に対して, 前述の反応速度式による計算結果は実験結果とかなり良く一致した.