著者
滝澤 旭 佐々木 文雄 小池 和弘 奥田 舜治 大沢 伸孝
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.640-645, 2020-10-25 (Released:2020-10-29)
参考文献数
17
被引用文献数
1

我々は,尿遠心上清液中に24種類の蛍光物質の検出,確認し報告している。今回,尿沈渣中に蛍光を持つ結晶(無晶性尿酸塩,尿酸アンモニウム塩,尿酸),精液や糞便由来と思われる植物繊維,ムコ多糖体様物質,花粉などが蛍光を持つことを確認した。尿沈渣から分離精製した無晶性尿酸塩,尿酸結晶などのブタノール抽出液の蛍光スペクトル分析,薄層クロマトグラフィー(thin-layer chromatography; TLC)分離から,これらの結晶に4~7種類の蛍光物質の存在を確認した。これらの蛍光物質は結晶や結石形成時,尿の上清液中に存在する蛍光物質が取り込まれたものであると推察した。
著者
滝澤 旭 佐々木 文雄 大沢 伸孝 奥田 舜治
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.204-209, 2018-03-25 (Released:2018-03-27)
参考文献数
18

我々は簡易紫外線ランプ(ブラックライト)を用いた方法で12種類の尿中蛍光物質を検出,確認した。今回,ろ紙を使った蛍光スポットテスト及び薄層クロマトグラフィー(TLC)分離により,さらに12種類の蛍光物質を検出,確認した。今回使用したブラックライトの主励起波長は350 nm,370 nmであるが,300 nm以下の紫外線も放出しており,300 nm以下に励起波長を持つ蛍光物質の検出が可能であった。ろ紙を使った蛍光スポットテスト及びTLC分離により,アミノ酸(トリプトファン,ヒスチジン),フラビン化合物(FMN, FAD),芳香族アミノ酸代謝物(ゲンチジン酸,トリプタミン,セロトニン,5-ヒドロキシインドール酢酸,スカトール,インドール),ヘモグロビン代謝物(コプロポルフィリン,ウロビリン)など12種類の蛍光物質を尿中に検出,確認した。