著者
奥野 和久 黒田 浩一 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.395-396, 1993-03-01

今日、予想以上の自動車の増大のために既存の道路網では対応できなくなってきている。このために自動車の集中する市街地の幹線道路や都市周辺の高速道路では渋滞が頻繁に発生するようになり、ドライバーの不満はいうまでもなく、これによる時間的損失は1990年度には全国でおよそ12兆円にもなると推計される。特に首都圏の交通ネットワークの要ともいわれている首都高速道路においては、もはや高速とはいえない次元に達している。首都高速道路が稼働状態にあるのは計画路線のまだ一部で、早急な建設が期待されているが、首都圏の地価高騰などの影響などを受けて遅れている。それらを改善するために東京外郭環状道路、中央環状線、東京港連絡橋(通称、レインボーブリッジ)などの新たな路線が建設または計画されておりその効果が期待されている。そこで本研究では首都高速道路の実際の交通流のデータをもとに東京外郭環状道路等の新路線が完成した場合の交通流の変化を考慮したシミュレーションを行い、渋滞の解消に関する効果について検討した。