- 著者
-
宇留野 隆
正木 千恵
渋谷 洋
北川 亘
長濱 充二
杉野 公則
伊藤 公一
- 出版者
- 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
- 雑誌
- 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.1, pp.9-13, 2014 (Released:2014-04-30)
- 参考文献数
- 5
最初に,永続性副甲状腺機能低下症を回避するために必要な,術翌日の血中i-PTH(Day1-PTH:非移植副甲状腺機能)と移植腺数を検討した。Day1-PTH≧10pg/mlでは,永続性機能低下は0.6%(3/493)と低かった。Day1-PTH<10pg/mlでも,2腺以上移植した症例は,9.2%(22/239)に抑えられた。次に,術中i-PTH値(全摘後5分値:PTT-PTH)と,Day1-PTHの相関を調べた。PTT-PTH≧15pg/mlは,Day1-PTH≧10pg/mlに対して,感度80.15%,特異度82.91%,PPV 76.22%,NPV 85.94%であった。計算上,PTT-PTH<15pg/mlの時,移植腺なしでは,36.1%の確率で永続性機能低下となりえる。2腺以上の移植を行うと8.3%となり,絶対危険減少27.8%,相対危険減少77.0%が期待される。