著者
脇水 健次 吉越 恆 宇野 正登 渡邉 雅子 西山 浩司 真木 太一
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.20, pp.31-31, 2007

九州大学では,1999年から冬季に液体炭酸を用いた人工降雨実験(福田,1999)を行っている.「撒布対象雲」は,これら積雲の中の「ある程度発達した積雲(降りそうで降らない雲;シ-ダビリテイの高い雲)」である.しかし,冬型の気圧配置時でも,「撒布対象雲」が必ず発生するとは限らず,実験が成功しない場合もあった.そこで,本稿では,冬季の人工降雨実験の成功率をあげるため1) 福岡での冬季の降水発生の気象原因,2) 筋状の雲が発生するための気象条件,3)気象衛星画像から「撒布対象雲」の出現頻度を解析した.今回の解析から,次のような事柄が判明した.1) 冬型の日は対象雲の発生が多く,人工降雨に適した気象条件日であると考えられる.2) 冬型の気圧配置で前述のような3つの条件を満足して2日目以降に,筋状の雲が出現する回数が最も多かった.3)気圧配置が冬型の日の発生日数に対して,対象雲の出現日数が平均9.5日(出現頻度30.9%)である.