著者
菊池 修 石井 美佐子 守橋 健二 中山 光宣
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.11, pp.1587-1593, 1986-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
33
被引用文献数
1

ESRパラメーターの実験値とINDO-UHF法によって計算した理論値を比較することにより,遊離基の構造を決めることを試みた。遊離基の9値,等方性および異方性超微細結合定数の実験値と理論値の差を最小にして,得られた分子構造をESRパラメーター最適化構造とした。12種の遊離基について計算した分子構造,ESRパラメーターを実験値およびエネルギー最適化構造と比較することにより,この方法の有効性と問題点について考察した。
著者
菊池 修 古崎 輝也 守橋 健二
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.11, pp.1409-1413, 1986-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
17
被引用文献数
2

溶媒効果を扱う有効電荷モデルにおいて,分子中の各原子に対する構造因子を導入した。溶媒殻に占める溶媒の割合から求める溶媒殻体積因子と,溶媒と接する原子球の表面積から求める表面積因子である。有効電荷モデルを取り入れたCNDO/2計算によると水中でのアセチルコリンの立体配座は,構造因子を導入しない場合には真空中の立体配座とほぼ等しくなるが,溶媒殻体積因子を導入すると実験および他の理論的モデルで計算されている立体配座とよい対応を示すようになった。溶媒殻体積因子には結合していない原子の立体的効果も含まれているので,溶媒中の分子の立体配座の計算には重要である。