- 著者
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塙坂 八重
高橋 幸博
川口 千晴
森川 肇
安原 肇
吉田 幸一
吉岡 章
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
- 雑誌
- 日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, no.1, pp.23-28, 2004-02-29 (Released:2011-03-09)
- 参考文献数
- 11
われわれは, 播種性血管内凝固 (disseminated intravascular coagulation : DIC) を合併した病的新生児に対する蛋白分解酵素阻害薬nafamostat mesilate (Futhan®) の臨床効果を, 同じく蛋白分解酵素阻害薬gabexate mesilate (FOY®) と比較し検討した.対象は1993年1月~2001年12月に当院新生児集中治療部門に入院した低出生体重児および外科症例を含むハイリスク新生児のDIC症24例であった.全例が生後28日未満にDICを発症し, 白幡のDICスコアー3点以上であった.Futhan®投与例とFOY®投与例が各12例であった.両蛋白分解酵素阻害薬ともDICスコアーを有意に低下させ, 血小板数とFDP値を有意に改善させた.Futhan®は新生児のDIC治療に有用であった.しかし, Futhan®投与群の1例に, 腎不全を伴わない高カリウム血症を認めた.Futhan®投与の期間中は血清カリウム値に注意を払う必要がある.