著者
森川 肇
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.N79-N82, 1997-04-01
参考文献数
3
著者
斉藤 公明 玉田 和彦 西村 芳高 山辺 裕 郡 義隆 稲留 哲也 藤原 卓夫 片山 和明 森川 肇
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.331-339, 1982

12才で初潮があつたが,以後無月経となり,多毛,低声,筋骨のたくましさ,陰核肥大などの男性化徴候が進行した16才の女子についてテストステロン産生腫瘍を疑い,これが卵巣の男化腫瘍の1例であつたので報告する.本症の報告は本邦ではこれまでに20例に満たず,その内分泌学的病像については不明な点が多いが,本例では術前に各種負荷試験を行ない.テストステロン生合成系,副腎皮質ホルモン分泌,下垂体ホルモン分泌予備能について検討し若干の知見をえた.術前の基礎値では,血中テストステロンの異常高値(7.00ng/ml)と日内リズムの消失, 17-KSの軽度上昇と分画中のアンドロステロン,エチオコラノロン, DHEAの高値,およびプレグナントリオールの高値などテストステロン生合成系の亢進を認めた.デキサメサゾン, HMG負荷ではテストステロン上昇に自律性がみられたが,その生合成系亢進はデキサメサゾンによる抑制がみられ完全な自律性を欠くことが示唆された. ACTH,メトピロン負荷では副腎皮質ホルモン分泌は良好で,テストステロン上昇による影響はみられなかつた.下垂体ホルモン分泌予備能はほぼ正常に保たれていたが, LH, FSHはStein-Leventhal症候群に特徴的な反応を示し注目された.術後,ホルモン基礎値は急速に正常化し, retrospectiveにも本腫瘍がテストステロンを産生していたことが臨床的に証明された.
著者
塙坂 八重 高橋 幸博 川口 千晴 森川 肇 安原 肇 吉田 幸一 吉岡 章
出版者
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.23-28, 2004-02-29 (Released:2011-03-09)
参考文献数
11

われわれは, 播種性血管内凝固 (disseminated intravascular coagulation : DIC) を合併した病的新生児に対する蛋白分解酵素阻害薬nafamostat mesilate (Futhan®) の臨床効果を, 同じく蛋白分解酵素阻害薬gabexate mesilate (FOY®) と比較し検討した.対象は1993年1月~2001年12月に当院新生児集中治療部門に入院した低出生体重児および外科症例を含むハイリスク新生児のDIC症24例であった.全例が生後28日未満にDICを発症し, 白幡のDICスコアー3点以上であった.Futhan®投与例とFOY®投与例が各12例であった.両蛋白分解酵素阻害薬ともDICスコアーを有意に低下させ, 血小板数とFDP値を有意に改善させた.Futhan®は新生児のDIC治療に有用であった.しかし, Futhan®投与群の1例に, 腎不全を伴わない高カリウム血症を認めた.Futhan®投与の期間中は血清カリウム値に注意を払う必要がある.
著者
山崎 峰夫 森川 肇 望月 眞人 佐藤 和雄 矢内原 巧 齋藤 良治 平川 舜 蒲田 忠明
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.925-934, 2002-07-01
参考文献数
14

日本人について妊娠末期のBishop scoreと妊娠・分娩経過との関係を初産・経産別に明らかにする共同調査を行った.妊娠期間,分娩所要時間,分娩様式,羊水混濁の有無,新生児アプガースコアに関し,第1報(日産婦誌2000;52:613-622)では実際の統計量成績を,また第2報(日産婦誌2001;53:1809-1818)では,それらと妊娠末期のBishops coreとの間の強い相関性を報告した.そこで,今回はこれらの事象が妊娠末期のBishop scoreにより予測しうるかを検討した.妊娠37~39週におけるBishop scoreの点数別の該当妊婦ののべ人数と受診後1週以内の分娩例数を集計した.また,妊娠37,38あるいは39週のBishop scoreの点数別に41週0日以降の分娩,分娩所要時間延長(初産婦24時間以上,経産婦12時間以上),手術分娩(吸引分娩,鉗子分娩あるいは緊急帝王切開),羊水混濁および低アプガースコア(出生後1分のアプガースコアが7点以下)の症例数を調べた.次いで,各事象を予測するための基準となるBishop scoreを1点から8点の8通りそれぞれにつき感度と特異度を算出し,ROC曲線により予測に最適なBishop score値(main Bishop score値)を求めた.なお,main Bishop score値の予測への有用性はこれを境とした二群間で各事象の頻度に有意差がある場合とした.初産婦・経産婦とも1週間以内に分娩となる頻度は50%を超えるのは妊娠37~39週のBishop scoreが6点以上のときであったが,感度を考慮すると初産婦では4点以上,経産婦では5点以上のとき予測上の有用性があった.他の各事象を予測するのに有用なBishop scoreは,i)41週以降の分娩:初産婦,経産婦とも妊娠37週3点以下,38週3点以下,39週5点以下,髄)分娩所要時間延長:初産婦では妊娠37週2点以下,38週2点以下,39週4点以下,経産婦では妊娠37週2点以下,妊娠38週1点以下,iii)羊水混濁:初産婦では妊娠37週2点以下,38週1点以下,39週2点以下,経産婦ではいずれの週数でも3点以下であった.なお,手術分娩と低アプガースコアについては,初産婦,経産婦ともBishop scoreによる予測は困難と思われた.以上の成績より,一週間以内の分娩,妊娠期間延長,分娩所要時間延長,羊水混濁を予測するうえで妊娠37~39週のBishop scoreが有用であることが窺われた.
著者
小原 範之 森川 肇 上田 康夫 望月 眞人
出版者
一般社団法人 日本内分泌学会
雑誌
日本内分泌学会雑誌 (ISSN:00290661)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.784-796, 1986-07-20 (Released:2012-09-24)
参考文献数
27
被引用文献数
9

Dynamic changes in maternal and fetal calcium metabolism during pregnancy were investigated by simultaneously measuring serum or urinary concentrations of calcium and calcium regulating hormones.Serum concentrations of total calcium in maternal serum decreased significantly, but those of ionized calcium decreased slightly but not significantly late in pregnancy. Maternal serum levels of parathyroid hormone (PTH) were almost the same as non-pregnant values throughout pregnancy, but those of 1α, 25-(OH) 2vitamin D3 increased as pregnancy progressed. Serum levels of calcitonin (CT) in maternal serum increased late in pregnancy but were statistically not significant. Calcium concentrations in maternal urine during pregnancy showed a slight decrease.It is suggested that calcium absorption in the maternal intestine might be increased by the action of increased serum 1α, 25-(OH) 2vitamin D3, and the maternal bone during pregnancy might be kept at the same density as in non-pregnant women because increased CT protects the maternal skeleton by resisting the bone-resorbing activities of 1α, 25-(OH) 2 vitamin D3.The concentrations of ionized calcium and CT in umbilical cord blood were higher, but those of PTH and 1α, 25-(OH) 2vitamin D3 were significantly lower than those of the maternal blood at term.It is considered that an active transport mechanism may be involved in the transplacental supply of calcium, and calcium transport from mother to fetus results in a decrease in the calcium concentrations of the maternal serum. Calcium transported into the fetus may be used as fetal body composition such as accumulation in the bone mainly by the action of serum CT.