著者
安川 正敏 長野 慶一郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.135-PLATE II, 1960-04-25

白レグの成鶏(♂)に, Ta^<182>の0.05〜1.5μc/g を皮下注射し, 血漿蛋白分屑に及ぼす影響を中心に追求し, つぎの結果をえた. 1. Albuminが減少した. 投与量の多い,1.5μc/gおよび0.5μc/gにおける減少は特に顕著で, Albumin peakがφ位成分あるいはγ Globulinのそれよりも低いPatternを示した. 2. Albumin減少に対し, 相対的に増加する分屑は一定してない. 3. 血球像の変動としては, 赤血球および白血球(特にHeterophylic L.)の増加が所見された. 4. Ta^<182>は肝, 肺に最も多く蓄積し, 脾, 腎がこれにつぐ.
著者
安川 正敏 長野 慶一郎
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學農學部學術報告 (ISSN:04530845)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.82-93, 1958-10

腸管へのCa排泄を窺うために, 家兎について, つぎの実験を行つた.即ち, 結紮によつて腸管を小腸, 盲腸, 近側結腸及び遠側結腸の4部位に区分し, 内容の移出入を阻止した家兎に, ^<45>CaCl_2を皮下注射し, 一定時間後に致死, 各区分の内容乾物量を秤量し, この一部を灰化して, cpmを計測した.この測定値について, ^<40>K等の天然放射性同位体に基づくcpmを補正した後, これから腸管各部位に存在するcpmの総計を算出, 比較した.結果はつぎの通りに要約される.1.上記4部位の, いずれにも, ^<45>Caの排出が認められた.2.全腸管中に存在する^<45>Ca量に対する, 各部位の占める割合は, 雌, 雄ともに, 小腸と近側結腸が高く, 1位或は2位を占める.この両者につぐものは盲腸であり, 遠側結腸が最低であつた.3.妊娠期には, 小腸の占める割合が高まる.4.上述の成績は, 必しも各部位の, 真の排泄能を意味しないであろう.というのは, 腸管内における^<45>Caの再吸収が, ありうるからである.