著者
安平 哲太郎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.259-270, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)

現代の様々な社会変革に伴う混乱を出来るだけ回避し得る教訓を得るために、同じ時代の要求の中にあり、変革においても共通した構造を持ちながら、混乱の度合いにおいて格段の違いのある明治維新とフランス革命とを比較した。その結果、認識の変革期には新旧両体制の人達とも矛盾した体制を超えて広く情報を収集し体制の問題点を認識する事、社会制度の変革が始まる前には実現可能な向かうべき世界の具体的モデル、その世界に順応する為の心構え、社会制度の変革中および以降では政治を超えて政治に道義を与えそこからの逸脱を許さない力の存在等が混乱を回避する為の重要な教訓である事を指摘した。そして、これらの教訓を現代に適用する場合には、その教訓に現代までの歴史的経験を加味すべき事、世界的規模の社会変革に対しては、全体の体制が矛盾している事に気づくための情報と変革後の実現可能な具体的モデルとをどうやって探すかという事が課題である事を論じた。
著者
安平 哲太郎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.195-211, 2009-05-16 (Released:2009-06-27)
被引用文献数
1

情報関連装置への入力以前の問題として、客観的世界に働いている完全合理性とそれを認識する人間の限定合理性との関係を議論する。完全合理性は人間が認識するという立場からは、「2 つの対象を人間がある観点から見た時に、本来同じと認識すべき事、異なると認識すべき事」と表現できる。これは、同時点の別の2 つの対象や、ある時点での対象と経時変化を経た後の同じ対象との間で成立し、異なり方は部分と全体の間で、さらに、経時変化を経る間に外部から働く作用と部分あるいは全体との間で一対一対応である。一方、人間の認識は不完全であり、それ故に限定合理性といわれる。このうち、特に異なると認識できていない時、対立や矛盾が生ずる事をパラドックスを用いて明らかにする。そして、この限定合理性を完全合理性に近づけてゆくためには、部分と全体との関係について問題意識を持つ事が重要で、これが概念分析の本質であることを示す。
著者
安平 哲太郎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.130-135, 2016-05-14 (Released:2016-07-15)
参考文献数
6
被引用文献数
1

筆者は昨年の情報知識学会で、神から求められている正義の流れとそれに対応する現実の流れを、聖書を参考に見いだせる事を明らかにした。この正義の流れは、人類が有史以来背負ってきた負債が、イエスの身代わりによって帳消しになった事を前提にしている。そこでこの事が事実である事を、どのように検証できるかを試みた。人類の歴史が神の意図Aに基づいていると仮定して、時点Bに神の意図Aに基づいて事実Cが起きた時、時点Bまでの流れに対して事実C がどのような影響を与えるかを考え、それに相当する歴史的事実が存在する事を明らかにした。また、その時点で、神の意図にイエスの身代わりで人類の負債を帳消しにする必要があり、人聞社会においてもイエスを十字架に架ける動機が存在しており、この事によって、神の意図が実現できる可能性があった事を明らかにした。
著者
安平 哲太郎
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.259-270, 2011-05-28
参考文献数
29
被引用文献数
1

現代の様々な社会変革に伴う混乱を出来るだけ回避し得る教訓を得るために、同じ時代の要求の中にあり、変革においても共通した構造を持ちながら、混乱の度合いにおいて格段の違いのある明治維新とフランス革命とを比較した。その結果、認識の変革期には新旧両体制の人達とも矛盾した体制を超えて広く情報を収集し体制の問題点を認識する事、社会制度の変革が始まる前には実現可能な向かうべき世界の具体的モデル、その世界に順応する為の心構え、社会制度の変革中および以降では政治を超えて政治に道義を与えそこからの逸脱を許さない力の存在等が混乱を回避する為の重要な教訓である事を指摘した。そして、これらの教訓を現代に適用する場合には、その教訓に現代までの歴史的経験を加味すべき事、世界的規模の社会変革に対しては、全体の体制が矛盾している事に気づくための情報と変革後の実現可能な具体的モデルとをどうやって探すかという事が課題である事を論じた。