著者
高橋 毅 安東 由紀 西田 眞 遠藤 八郎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.26, pp.110, 2010

近年,製品の低価格化と高品質を両立させるため,物流システムの効率化による流通コストの削減が求められている.また,小売店の効率経営,インターネット通販の拡大のニーズから多品種少量物流の要請も高まっている.多品種少量物流における集配倉庫の出荷作業では,各オーダーに臨機応変に対応するため,人手に頼っていることが多い.出荷の主要作業はマニュアルピッキングであり,作業時間分析の結果では,歩行時間が作業時間の約52%を占めることが示されている.すなわち,冗長な歩行の低減によるピッキング効率向上は作業コスト低減に大きく寄与すると考える. そこで本研究では,多品種少量物流におけるトータルピッキング作業のモデル化および遺伝的アルゴリズムを用いた巡回経路自動導出法の検討を行った.また,小規模の倉庫を模擬してシミュレーションを行い,自由巡回と比較して提案手法が効率的な経路を選択できることを明らかとした.