著者
三河 正彦 吉川 雅博 辻村 健 田中 和世
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.25, pp.97, 2009

本研究の目的は,図書館に設置され,図書館利用者と自然言語で会話し,分かりやすい情報提供が可能な図書館司書ロボットを構築することである.本ロボットは,視聴覚センサ等の知覚情報による図書館内の利用者の行動予測に基づく適切な受け付け行動,自然言語対話エンジンによる利用者からの質問や要望に対し適切な受け答え,利用者に理解しやすい情報案内が可能な機能を備える.本システムの特徴は,睡眠や覚醒等の意識状態を表現できる意識モデルを備えることである.複数の知覚センサを備え,知覚情報処理が並列に実行される図書館司書ロボットシステムでは,利用者の検出により覚醒し,その応対に必要な処理を優先して実行するが,利用者がいない時には知覚情報処理の優先順位が下がり,つまり表面的にはロボットが睡眠しているように見え,内部的には覚醒時に蓄積した知覚情報を処理し,実時間処理では得られない長期間蓄積した知覚情報から有益な情報を抽出,記憶する機能を備える.
著者
矢野 良和 原 和道
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.30, pp.410-411, 2014

1自由度でありながらも、様々な曲率のカーブや起伏形状をもつコースを高速に走行するミニ四駆は、機械的な制約を与えることで過剰なエネルギーによるコース逸脱を抑える試みがされてきた。本研究ではミニ四駆に電子制御されたモータを搭載し、加速度センサ・ジャイロセンサ、接地センサより得られる情報の分析を行う。
著者
山田 クリス孝介 平田 華奈子 野村 忍
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.26, pp.237-237, 2010

感情喚起時の脳の活動メカニズムを明らかにすることは、うつ病や不安障害などの精神障害を理解するために重要な問題である。脳の前頭前皮質は感情の制御に重要な役割を担っていると考えられ、大きな注目を集めている。本発表では、感情と脳に関する先行研究を概観し、我々の研究について紹介する。我々の研究では、健常な大学生を対象に、感情喚起時の前頭前野活動を近赤外線分光法(near-infrared spectroscopy: NIRS)により測定した。NIRSは大脳皮質の血流量を非侵襲的に測定できる装置である。感情喚起にはInternational Affective Picture System(IAPS; Lang et al., 1995)を使用し、IAPSの中から不快、中性、快画像をそれぞれ15枚ずつ選定した。各画像(不快、中性、快)をブロック計画で提示し、各ブロックにおける前頭前野活動を比較した。
著者
齋藤 智子 椎塚 久雄
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.158, 2007

現代は悩みを持たない人はいないと言っても過言ではないほど,ストレスに溢れた社会である.ストレスを抱え込みすぎないためにも,人それぞれ様々なストレス発散方法がある中で,本研究では「会話」に着目した.親しい人に話を聞いてもらうとすっきりした経験をした人が多いように,ロボットと会話がストレス軽減に繋がるのではないかと考えた.本研究ではロボットの会話部分を中心に研究し,「大学生の学校に関する悩み・愚痴」に関するシナリオを作成した.作成したシナリオデータをロボットに出力し,実験を行った.実験にはPOMS(気分プロフィール検査)を用いて,会話前後の気分を測定して結果を分析した.その結果,ロボットとの会話による混乱・怒りなどのストレス因子が軽減し,活気の因子が高くなるという良好な気分プロフィールを得ることが出来た.
著者
隅山 淳一朗 橋山 智訓 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 (ISSN:18820212)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.1-4, 2015

ゲーム分野における人工知能は、近年急速に進化しており、1997年にはチェスのグランドチャンピオンに勝利し、2013年には将棋のプロ棋士に勝利するなどの成果を挙げている。このことは、ゲームAIの長年の目標であった「人間を超える」人工知能を作ることを達成しつつあることを意味している。強さを追求したAIの次の段階として、人間を楽しませるための人間らしいAIの追求に焦点を当てる必要がある。本稿では、不完全情報ゲームの一つであるぷよぷよを用いて、人間のプレイを模倣するゲームAIの作成を目的とする。ここでは、熟練者のプレイデータからプレイ特徴量を抽出し、その特徴量を用いて、人間の模倣AIを作成する。
著者
井原 雅行 小林 稔
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.453-453, 2007

情報伝達手段としてのメディアの価値が認知されて久しいが,人と人のコミュニケーションを媒介するメディアについては,まだまだ課題が多い.認知心理学の世界に,物理的なモノがヒトに対して発する概念として理解されてきたアフォーダンス理論がある.ここでは,これを拡張してヒトに適用した新概念「ヒューマンアフォーダンス」を紹介し,コミュニケーションにおいて不足しがちな情報を,メディア処理技術により生成,強調してアフォードすることの効果を述べる.具体的事例として,会話における同意・非同意に着目した価値観共有メディア,および,多人数から個人に向けたN-to-1コミュニケーションを実現する電子寄せ書きメディアを紹介する.
著者
加納 政芳
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.27, pp.210-210, 2011

Babyloidは,高齢者に世話されるロボットであり,これにより高齢者の心理的苦痛を緩和することを目的としている.Babyloidは,一般的なロボットが目指すような人と同じように「すべての作業できるように」ではなく,「なにもできないように」設計した.ただし,泣く,機嫌が悪くなるなどの生理的・心理的状態を表出することを通して,空腹や暇などの自らの状態を他者(高齢者)の助けによって改善しようとする(自己充足性を満たそうとする)ことはできる.このような,自己充足性を通したインタラクションによって,高齢者とBabyloidの間に一種の信頼関係を築き,高齢者の精神状態を安定・改善させることを考えた.
著者
伴 浩美 南保 英孝 大藪 多可志
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.24, pp.71-71, 2008

本年2008年、アメリカの大統領選挙が行われる。本研究では、3人の有力候補、Barack Obama、Hillary Clinton、John McCain候補のスピーチについて計量言語学的な解析を行い、比較を行った。すなわち、それぞれスピーチについて文字や単語の出現頻度の特徴を調べた。これらの特性を指数関数によって近似を行った。さらに、日本の中学校の必修単語とアメリカの基礎単語("The American Heritage Picture Dictionary" を使用)を用いて、各試料の難易度を求めた。さらに、各試料のK特性値を求めた。結果として、McCain候補のスピーチには文字頻度において英語の文学作品と同様の傾向が見られることや、彼のスピーチは他の候補より難しい傾向があることなどが明らかとなった。
著者
嶋本 正範 谷口 忠大 大矢 智子 塩瀬 隆之 川上 浩司 片井 修
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.661-661, 2007

社会的生活の本質が他者との相互作用であると考えに基づき,ゲーム理論は社会的構造や社会的変化の研究に微視的な基盤を与えるものとして盛んに研究が行われた.しかし,実際に人間がゲームにおいてどのように振舞うかという研究分野である実験ゲームでは,ゲーム理論で仮定されているような合理的な行動を人間はとらないことが知られている.近年,このような人間の非合理的な行動などが行動経済学などの分野によって注目されるようになってきた. 本研究では,意思決定という行動のインタラクションだけでなく,ゲーム理論では取り扱われなかったコミュニケーションに着目し,ネットワークの構造によっておこる,局所的なコミュニケーションが人間の意思決定にどのような影響を与えるかを,ネットワーク構造の形態によって分析する.
著者
山口 伸平 安信 誠二
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.73-73, 2006

現在、地球温暖化が進み、エネルギー消費を削減することが重要になってきている。自動車の自動運転の研究がなされているが、従来制御では人間が運転しているときのような省エネルギーで走ろうという意識が組み込みにくい。そこで本研究では知的制御により省エネルギーな自動運転の構築を目指す。そこで、本研究では、人間が運転中に行っている判断_-_操作を知的制御系によってコンピュータに組み込む。知的制御系は状況判断部、制御部の2つから構成されている。今回、構築した制御系によって、10モード燃費測定時の速度パターンを走行する場合のシミュレーションを行った。
著者
渡邊 香 鈴木 秀和
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.709-710, 2012

近年,ロボットの技術の向上・発展を目指した競技大会としてRoboCupが開催されている.RoboCupとは,2050年までにサッカーのワールドチャンピオンチームに勝つことのできるロボットチームの開発を目的とした大会である.RoboCupでは年々自己位置同定技術の重要性が高まっており,ボールをゴールに運ぶだけでなく,フリーキックやパスなどの戦術的な面でも注目されている.サッカーフィールドの環境では様々なセンサを用いることで,自己位置同定に必要な指標を得ることができる.本報告では,周囲情報を用いた基礎的な自己位置同定の構築を行う.
著者
ファン ミントゥン 吉川 大弘 古橋 武 橘 完太
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.25, pp.15-15, 2009

機械学習をより効率よく行うために,階層的なモデルの構築が盛んに研究されている.これらの中で特にデータが高次元の場合に階層的なモデルの構築を行う際,データ分布を把握するためにPCAやMDAなどの線形手法がよく用いられている.しかし,それらの線形手法でのデータの可視化は,インスタンス間の非類似度(距離)を考慮していないため,それらに基づいた階層構造の構築には適切ではない.本稿では,インスタンス間の非類似度を考慮したばねモデルを用いた多次元尺度構成法による,2次元デンドログラムマップの構築手法を提案する.さらに,可視化結果に基づく機械学習における階層構造の構築手法を提案する.実験結果により,提案した2次元デンドログラムマップは,機械学習へのフィードバックに有効であることを確認できた.
著者
小久保 綾子 閑 絵里子 土屋 直樹 中嶋 宏 志賀 利一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.30, pp.71-74, 2014

近年、先進国のみならず新興国においても肥満人口が増加している。肥満は糖尿病や高血圧症等の生活習慣病に繋がるケースも多いため、罹患前に生活習慣を改善し、肥満を解消することが推奨される。しかし、過度な食事制限などにより急激な減量を行うとリバウンドのリスクが高まる。このような課題を鑑み、我々は減量成功事例443件を用い、ユーザが目標体重に到達するために目指すべき体重推移を幅をもたせて可視化し提示するシステムを開発した。本システムは、1ヶ月間の減量を支援するものであり、期間のはじめから終了にかけて体重がゆるやかに目標に収束するよう、成功事例を関数近似し、提示する。加えて、これらの成功事例から得る朝から晩にかけての体重の増量幅を提示する。本システムと体重推移の可視化がないシステムを比較した結果、本システムの利用者の体重減少量は後者のシステムと比較し、有意に減少していることが確認され、体重推移の可視化がユーザの減量に寄与することが示唆された。
著者
宮木 稜司 吉田 行宏 中村 剛士 加納 政芳 山田 晃嗣
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 (ISSN:18820212)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.288-291, 2018

<p>近年、家庭やオフィスにRoombaに代表されるような掃除ロボットが普及されている。掃除ロボットは掃除作業を実行するロボットであるが、作業の妨げになるような障害物がある場合は人からの支援が必要となる。このとき、ロボットから人に対して支援を必要とする旨の意図伝達を行い、支援行動を喚起することができれば、タスクがよりスムーズに遂行できる。ロボットからの意図伝達を試みた研究に聴導犬ロボットAcToRの研究があり、接触を行うことで緊急性に関する意図を人に伝えられることが報告されている。本研究では、接触を行う対象を人だけでなく第3の物体にも適用することを提案する。ペットの犬はドアを開けてほしいときにドアを引っかくなどの動作を行うことがある。ロボットも同様の動作を行うことで意図伝達と行動喚起に効果があるのではないかと推測する。本実験では、実験室の外に出たいという意図の伝達と実験室のドアを開けてもらう行動の喚起の方法として「接触有り」と「接触無し」の2条件でそれぞれ実験を行い比較する。</p>
著者
椹木 哲夫
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 (ISSN:18820212)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.125, 2005

一般に知的な自律行動主体と環境との相互作用は主体内部の自閉的な内部活動に帰属される.すなわち,振舞いの多様性を規定しているものが,環境から入力のみではなく,システムが内部で造り出している「認識」あるいは「知覚」である点が「自律性」の本質である.本稿では,このような行動主体と環境を結びつけている「知」の本質を,パースの記号論(semiotics)に求め,人間が捉えている主観的世界とその動態を説明づける理論としての可能性について述べる.セミオーシスは,これまで言語学のみならず,さまざまな分野で議論が展開されており,分野横断的な新たな知の枠組みとして見直され始めている.それは生命分野,動物行動学,認知心理学,脳科学,社会学,インタフェース設計,コミュニケーション,ヒューマンコンピュータインタラクション,人間の日常的な活動分析から,芸術・芸能の分野まで多岐に亘るとともに,ロボッティクス分野での身体性・認知ロボティクスや記号接地の問題とも関連を有する.本稿では,セミオーシスで捉える知覚世界の特質について中心にまとめる.
著者
田中 成俊 橋山 智訓 市野 順子 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.101, 2013

チェスや将棋を始めとするゲームを題材として、コンピュータで人間と同様の知能(AI:Artificial Intelligence)を実現させようとする試みは古くから行われている。近年では、ボードゲームだけでなくコンピュータゲームでのFPS(First Person Shooter)やRTS(RealTime Strategy)、アクションゲームなど、さまざまなジャンルでAIコンペティションが開かれている。しかし初期のコンピュータゲームであるローグライクゲームでは、数少ない研究例があるだけで、その後の発展はみられない。本稿では、現在もプレイされているローグライクゲームの特徴を挙げ、既存のAIコンペティションとの対比を行い、ローグライクゲームのコンペティションを設計することで新たな課題を提供する。