著者
松岡 雅雄 安永 純一朗
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.7, pp.1376-1382, 2017-07-10 (Released:2018-07-10)
参考文献数
13

ヒトT細胞白血病ウイルス1型(human T-cell leukemia virus type 1:HTLV-1)は,ヒトで初めて同定された病原性レトロウイルスであり,生きた感染細胞を介してのみ感染するという特徴を有している.生体内では,主にCD4陽性Tリンパ球に感染しており,その感染細胞の形質を変化・増殖させ,次の個体へと感染を拡大している.HTLV-1のマイナス鎖にコードされるHTLV-1 bZIP factor(HBZ)はHTLV-1の病原性発現に極めて重要な役割を担っている.この感染細胞を持続的に増殖させるというウイルスの戦略が病原性と結び付いており,感染細胞の抑制が発症予防にも重要である.
著者
田中 昭彦 森山 雅文 安永 純一朗 中村 誠司
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

唾液、血液など採取の容易な検体での解析を行った。今回、細胞から分泌される直径50-150nmの細胞外小胞の一つであるエクソソームはその内部にマイクロRNA(以下 miRNA)含むことが知られており、そのmiRNAに着目し、能動的に分泌されるエクソソーム内miRNAを検出することで、より精度の高い診断への応用を期待した。結果として、血液、唾液、うがい液からmiRNAを検出することが可能であった。疾患特異的な分子の確定にはいたらなかったが、非侵襲的に採取できる唾液やうがい液検体がSS等の口腔内疾患の検査法として有用である可能性を示した。