著者
山田 浩之 新井 益洋 安田 秀穂
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.49-55, 1998-10-31 (Released:2009-12-08)
参考文献数
29

東京都内の芸術文化活動による経済波及効果を産業連関表を用いて分析したところ、東京都地域内では、建設工事や土木工事に投資するよりも芸術文化に投資した方が大きな効果をもつことが判明した。また、芸術文化活動による経済波及効果を東京都地域とニューヨーク・ニュージャージ大都市圏とで比較すると、東京都地域の方が経済波及効果が低くなっており、東京都地域において芸術文化が経済を活性化する力は今後一層、強まる可能性がある。
著者
安田 秀穂
出版者
環太平洋産業連関分析学会
雑誌
産業連関 (ISSN:13419803)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.16-23, 2002 (Released:2015-06-24)

「千と千尋の神隠し」の興行収入が過去の記録を更新するなど,映画館は活況である。映画館の経済波及効果はきわめて大きく,生産誘発係数は2.09である。しかし,映画館の現場にたずさわる人々からは依然として厳しい経営状況が続いており,景気はよくないとの声が聞こえる。映画産業の活況と現場の声とのギャップは何なのか。一般に経済波及効果はその産業の裾野にあたる産業が広いと大きくなると言いならわされているが,果たしてそのとおりなのであろうか。本論は経済波及効果の大小を決定する要因を明らかにし,次々と連鎖する裾野への展開によるよりも,最終需要が生じた産業それ自体の投入係数の性質によるところが圧倒的に大であることを実証的に確認し,映画産業の現場に生じたギャップのメカニズムを解明する。
著者
安田 秀穂
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.11-17, 2005-03-31 (Released:2009-12-08)
参考文献数
20

芸術文化産業の経済波及効果を産業連関分析により算出し、立地分析と時系列分析をおこなった。経済波及効果を地域で比較すると東京に立地する芸術文化産業は全国平均よりも大きな経済波及効果を有していることがわかった。時系列でみると1990年から2000年にかけて経済波及効果は芸術文化産業ごとに特徴をもった変化をしており、なかでも映画では経済波及効果の大幅な上昇がみられた。