著者
安藤 正志
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.63-72, 2000 (Released:2007-03-29)
参考文献数
50

痛みの評価(測定法と検査法)に関する研究報告に基づき,特に理学療法分野で応用可能であるものを紹介した。痛みを評価する目的は,患者の訴えを客観的に把握すること,痛みを引き起こしている原因を探察すること,そして痛覚機能の障害の程度を測定する(痛覚閾値の測定)ことの3つである。訴えを把握するには,痛みの強さ,性質,時間的変化,領域における4次元的に捉えておく必要がある。痛みの原因を探索するには,圧痛点の探索,姿勢の矯正,関節運動による痛みの誘発などの方法が用いられる。また,痛覚閾値の測定法には,機械的刺激法,温度刺激法,化学刺激法,電気刺激法があることを論じた。
著者
安藤 正志 丸山 仁司 小坂 健二
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.10-13, 1995-01-31
被引用文献数
4

速く歩行させた(高速度歩行)後, また遅く歩行させた(低速度歩行)後, 快適歩行はどのように影響されるかを確認することを目的に, 健常成人30名(男12名, 女18名・平均年齢19.3歳)を対象として10m直線路上を歩行させた。1. 快適歩行を連続4回施行させ, それぞれの歩行所要時間, 歩幅そして歩行率を比較したところ, 再現性が確認できた。2. 高速度歩行後に快適歩行を再生させ, 事前に測定した快適歩行と比較したところ, 所要時間は一時的(5秒時)に短縮し歩幅, 歩行率は一時的に増大した。3. 一方, 低速歩行後の快適歩行では, 所要時間は増大し, 歩幅, 歩行率は減少した。しかしながら, これらの異なった歩行速度における干渉効果は時間経過とともに減弱してしまうことが確認できた。