- 著者
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宗岡 克樹
白井 良夫
高木 健太郎
小山 高宣
- 出版者
- 一般社団法人日本消化器外科学会
- 雑誌
- 日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.5, pp.495-499, 2001-05-01
- 被引用文献数
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18
急性上腸間膜動脈閉塞症の2症例に対し, ウロキナーゼを上腸間膜動脈(SMA)に動注する血栓溶解療法を施行した. 症例1は59歳の男性で, SMA本幹に完全閉塞を認め, ウロキナーゼ60万IUの動注により血栓は消失した. 発症からSMA再疎通までは3.5時間であった. 腸切除を要さず, 1か月で軽快退院した. 症例2は68歳の男性で, SMAの完全閉塞を認め, ウロキナーゼ60万IU動注により血栓は消失した. 発症からSMA再疎通までは6.5時間であった. 腹部所見は軽減したが, 再疎通後3時間目から再度憎悪したため緊急手術を行った. 空腸, 回腸280cmが壊死しており, 腸管切除再建を行ったが, 術後4か月目に多臓器不全で死亡した. 自験例および従来の報告例の検討からは, 本療法を発症後早期(SMA本幹閉塞では5時間以内, SMA遠位部の閉塞では12時間以内)に行えば腸管壊死を回避できる可能性がある.