著者
内田 直樹 加我 由佳里 土田 哲平 室谷 好美
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.252-257, 2018-05-01 (Released:2018-05-01)

技術のコモディティ化が起きている分野においては高機能化とは別の付加価値で勝負する戦略を探る必要があり,自社の事業の知財ステージがどの段階にあるかを評価した上で知財戦略を立てることが肝要である。本研究では,付加価値としての「感性価値」に着目し,グッドデザイン賞の受賞歴に基づき特定した家電製品に関する特許情報・顧客レビュー情報の分析を通じて,「感性価値」が高い製品が市場に与える影響についての考察を行う。また,よい“デザイン”がなされているか否かを判断する「デザインのコモディティ度」を考慮した事業戦略・知財戦略の1つの考え方について検討する。
著者
加我 由佳里 内田 直樹 土田 哲平 室谷 好美
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第14回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.13-19, 2017 (Released:2017-11-01)
参考文献数
5

技術的にコモディティ化した事業領域においては、技術によってもたらされる機能的価値以外の付加価値で勝負することが重要である。そして、自社製品の知財ステージがどの段階にあるかを評価した上で、知財戦略を立てることが肝要である旨提唱されている[1]。 本研究では、付加価値で勝負する戦略における、技術だけでは得られない付加価値としての「感性価値」に着目した。そして、「デザイン」の観点から「感性価値」を向上させることによって技術のコモディティ化が解消され得るか、という仮説に基づき、グッドデザイン賞の受賞歴に基づいて特定した家電製品の特許情報および口コミ情報を分析した。 その結果から、「感性価値」が高い製品が市場に与える影響について考察する。また、よい "デザイン" がなされているか否かを判断する「デザインのコモディティ度」を考慮し、感性価値が問われる時代における新たな事業戦略・知財戦略の1つの考え方を提案する。