著者
宮下 和喜
出版者
Arachnological Society of Japan
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.177-186, 1992 (Released:2007-03-29)
参考文献数
13
被引用文献数
7 10

母グモの網より分散する少し前の幼生 (若虫) を半自然条件下で個体飼育したところ, 雄は8~9回脱皮をし, 生まれてから3年目の春に成体になった. 雌では, 9~11回脱皮をして3年目の春と秋および4年目の春に成体になるものが生じた. 飼育開始から3年目の春までの巣網の直径の成長を調べたところ, 雄では2.3mmより13.3mmに, 雌では2.3mmより13.7mmに成長した. 雌の網の直径はこの後も成長をつづけ, 5年目には15.9mmに達した. また, 雌は成体になってからも毎年春に1回脱皮を繰り返した. 幼生と成体の1週間当りの排泄回数を1年間にわたって調べたところ, 排泄回数は夏に増加し冬には減少したが, 排泄が完全に停止してしまう訳ではなかった. これらの調査結果と, これらに平行して行なった野外調査の結果とを合わせ, このクモの生活環を考察した.
著者
石倉 秀次 伊藤 嘉昭 宮下 和喜 伊藤 佳信
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.135-139, 1957-06-30 (Released:2017-07-19)
被引用文献数
1 1

In 1955 and 56,observations were conducted on the root aphids injurious to upland rice and the ants attending these aphids in the upland rice fields in Shozima city near Tokyo. The root aphids concerned were Rhopalosiphum prunifoliae, Anoecia corni and Tetraneura ulmi and the species mentioned first was more dominant than the others in June and July. Six species of ants were found in the field studied and four species, Lasius niger. Crematogaster sordidula osakensis, Pheidole fervida and Tetramorium caespitum jacoti, were observed attending the aphids. In a few cases when the soil was loose and light or there was any tunnel worked by mole cricket, the aphids seemed to go under soil without any help of ants, but there was a close positive correlation between the number of aphids and ants found in sampled soils taken at random in the fields. This correlation was observed till the middle of the season. Some ants were observed carrying the apterous female and nymphs of Rhopalosiphum prunifoliae into their hole, indicating their important role in assisting the migration of aphids from soil surface to the subterranean habitat. The frequency distribution of the numbers of both aphids and ants were not random but strongly contagious. The variance (s^2) of the average number of aphids was found to increase proportionately to their population density as shown in Fig. 1. Thus the frequency distribution of aphid numbers can be transformed into normal one if the actual numbers are changed into log_10(x+1).
著者
宮下 和喜
出版者
Arachnological Society of Japan
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.89-93, 1996 (Released:2007-03-29)
参考文献数
8

1992年の夏に親の産室より出てきたシラヒゲハエトリの2齢幼体を自然に近い条件下で飼育した結果, 雄4匹は翌年の7~8月に成体となったが, 1匹はその次の年の夏までかかって成体となった. 雌3匹も3年目の夏に成体となった. 雄の脱皮回数は5回, 雌のそれは6回であった.野外で採集した雌成体6匹を室内で飼育したところ大多数があしかけ3年生存し, この間の2年目までに4~5回受精卵を産んだが, 一部の個体は3年目にももう1回産卵した. 産卵数 (平均値±標準偏差) は, 第1回目の産卵が24.4±4.2, 第2回が17.8±2.1, 第3回が14.3±3.2, 第4回が12.2±5.5, 第5回が12.7±1.5であった. 一生における雌当りの総産卵数は71.7±18.6 (平均値±標準偏差) であった.
著者
宮下 和喜
出版者
Arachnological Society of Japan
雑誌
Acta Arachnologica (ISSN:00015202)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.89-93, 1996

1992年の夏に親の産室より出てきたシラヒゲハエトリの2齢幼体を自然に近い条件下で飼育した結果, 雄4匹は翌年の7~8月に成体となったが, 1匹はその次の年の夏までかかって成体となった. 雌3匹も3年目の夏に成体となった. 雄の脱皮回数は5回, 雌のそれは6回であった.<br>野外で採集した雌成体6匹を室内で飼育したところ大多数があしかけ3年生存し, この間の2年目までに4~5回受精卵を産んだが, 一部の個体は3年目にももう1回産卵した. 産卵数 (平均値±標準偏差) は, 第1回目の産卵が24.4±4.2, 第2回が17.8±2.1, 第3回が14.3±3.2, 第4回が12.2±5.5, 第5回が12.7±1.5であった. 一生における雌当りの総産卵数は71.7±18.6 (平均値±標準偏差) であった.