著者
松本 達郎 宮内 敏哉 蟹江 康光 宮田 雄一郎 植用 芳郎
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
vol.1984, no.134, pp.335-346_1, 1984
被引用文献数
1

その5-7を含む, その5.下部白亜系産同類。A.宗谷と大夕張産の1種 : Cymatoceras sp. aff. C. virgatum (Spengler).インドのアルビアン産模式標本に類似するが, 殻側面がそれ程膨れずB/Hが1に近く, 肋は2分岐を何回か示すが3分岐は認められない。大夕張のはアルビアン;宗谷のは層位未定。B.浦河地域産の1種 : Cymatoceras sp. cf. C. sakalavum Collignon.浦河北々西17kmの鳧舞川支流の1地点, 中部エゾのMla砂岩産。二次変形しているがマダガスカル島アルビアン産の標記種に類似。C.礼文島ネオコミアン産1種 : Cymatoceras sp. aff. C. mikado (Krenkel).タンザニアのネオコミアン産のに類似するが, 螺環断面が準梯形でへそも広い。地蔵岩近傍の礼文層群最下部層産。その6.サントニアン産の追加1種 : Cymatoceras sharpei (Schluter).ドイツのセノマニアン産原標本よりはむしろオーストリアGosau層群サントニアンから最近報告のものによく似る。幾春別川上流サントニアンより高橋武美氏採集。その7.北海道産白亜紀オウムガイ類成果の要約。(1)記載した15種を表示, 産出層の時代を併記(p.341). (2) Kummeloceras属を設立し, 系統分類について新知見を提示(第4図の系統樹参照). (3)各階ごとに異なる種が産しており, 中には化石帯構成種のメンバーたり得るものもある。海外類似種との対比のできるものもある。(4)古生物地理, (5)古環境についても, 若干のまとめを試みた。