著者
宮地 司 羽田 圭宏 河村 顕治
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.17-21, 2020 (Released:2020-02-28)
参考文献数
15

〔目的〕異なる関節角速度での筋力と姿勢制御の関係性を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕健常成人男性70名を対象に,0,60,90,120,180,240,300 deg/secでの関節角速度における膝関節伸展筋力および筋パワーを測定し,片脚ドロップジャンプ着地時の緩衝係数や足圧中心(COP)軌跡長との関係性を検討した.〔結果〕関節角速度の増加に伴い発揮される筋力は有意に減少し,筋パワーは有意に増加した.また,90 deg/sec以上での筋力および筋パワーと緩衝係数やCOP軌跡長の間に負の相関関係を認めた.〔結語〕臨床での筋力測定は等尺性もしくは低速で行われているが,瞬時の姿勢制御には中速以上での筋力の重要性が示され,筋パワーが指標となることが解明された.