著者
山野 貴史 宮城 司道 樋口 仁美 梅崎 俊郎 中川 尚志
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.206-211, 2010 (Released:2011-09-01)
参考文献数
11

気管内挿管による合併症の一つである披裂軟骨脱臼を診断する上で喉頭ストロボスコピー、喉頭 3D-CT が有用であった。当科での症例は全 6 例すべてが前方脱臼であり、新鮮例では喉頭直達鏡下整復術、陳旧例では音声治療を行うことにより良好な成績を上げることができた。また、受傷後できるだけ早い時期に対応できるように他科医師にも当疾患について積極的な啓蒙が必要と考えた。
著者
小泉 優 岩崎 宏 山田 梢 末田 尚之 菅村 真由美 上野 哲子 宮城 司道 中川 尚志
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.175-182, 2013-07-20 (Released:2014-08-01)
参考文献数
19

症例は 50 歳、男性。慢性咳嗽とリンパ節腫脹が出現したため、内服加療を受けていた。 改善を認めなかったため、1 カ月後に紹介となった。血清 sIL-2R が 864 U/mℓ と高値であったため、悪性リンパ腫を疑って、リンパ節生検を施行した。病理診断はリンパ節炎であった。以後、外来で抗生剤投与を行ったが、改善を認めなかった。血液検査を追加、施行したところ IgG4 が 1,100 mg/dℓ と亢進していた。IgG4 関連疾患を疑い、再度全身麻酔下に顎下腺摘出術とリンパ節摘出術を施行した。免疫染色を行い IgG4 陽性形質細胞の組織への浸潤を認め、確定診断に至った。プレドニン30mg/day より開始し、2 週間で10 %の漸減療法を行った。顎下腺、リンパ節は縮小し、呼吸器症状も落ち着いた。IgG4 も 300 台まで低下を認めたが、完全寛解には至っておらず、プレドニン 20mg/day で維持している。
著者
菅村 真由美 今村 明秀 久保田 由紀子 宮城 司道 福崎 勉 加藤 寿彦 森園 哲夫 堤 正則 中川 尚志
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.163-167, 2007-05-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
13

海綿状血管腫は比較的まれな疾患とされていたが、MRI導入以来発見されることが多くなった。初発症状としては、てんかん発作、けいれん、頭痛などが多い。今回、われわれは脳幹部の海綿状血管腫の出血が原因でめまいを発症したと思われる成人男性症例を経験したので報告する。症例は53歳、男性で主訴はめまい、嘔気であった。初診時は末梢性の頭位めまいと診断された。発症後6日目に左注視障害、瞳孔不整が出現したため、MRIを施行したところ、脳幹部海綿状血管腫と診断された。本症例のめまいは、延髄海綿状血管腫に起因する出血により生じたものと考えられた。
著者
大門 康子 末田 尚之 杉山 喜一 宮城 司道 中川 尚志 竹下 盛重
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.63-68, 2014 (Released:2014-09-10)
参考文献数
20
被引用文献数
2

Spindle cell carcinoma(sarcomatoid carcinoma)は扁平上皮癌成分と紡錘形細胞を主体とする肉腫様成分とが混在してみられる悪性腫瘍であり,扁平上皮癌の亜型として分類されている。今回,われわれは急速に進行したspindle cell carcinomaの1例を経験したので報告する。症例は58歳男性,急性心筋梗塞にて救急救命センターに搬送され,気管切開術が施行された。抜管後に呼吸困難が出現し,気管支鏡検査により喉頭声門下より気管内に腫瘍性病変が確認された。再気管切開術とともに腫瘍組織検査が施行され,病理組織検査からspindle cell carcinomaと診断された。約3週間後に手術を予定していたが局所の急速な増大とともにリンパ節および遠隔転移が進行し,手術不能と判断される状態になった。診断後2か月で死亡し,不幸な転帰となった。