著者
林 安里 熊田 知浩 野崎 章仁 日衛嶋 郁子 宮嶋 智子 藤井 達哉
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.288-293, 2013 (Released:2014-10-11)
参考文献数
12

【目的】ケトン食療法中は微量元素が欠乏しやすい. しかし, 特殊ミルクであるケトンフォーミュラ (明治817-B) を使用したケトン食療法中の微量元素の欠乏に関する報告はない.  【方法】ケトンフォーミュラを用いたケトン食療法を行った6人における治療前と6カ月後の血清セレン, 亜鉛と銅濃度の変化を調べた. おのおのの1日摂取量を調べた.  【結果】セレンの血清濃度と1日摂取量は有意に低下した. 亜鉛と銅の血清濃度は有意には低下しなかったが, 1日摂取量は低下した.  【結論】ケトンフォーミュラを用いたケトン食療法中は血清セレン濃度が低下, セレン, 亜鉛と銅の1日摂取量の減少を認め, 定期的な評価と不足例での補充が必要である.
著者
林 貴大 木村 暢佑 中森 いづみ 樋口 嘉久 宮嶋 智子
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.294-295, 2018 (Released:2018-08-16)
参考文献数
5

MethylphenidateはADHDに使用され, 適正使用ガイドには脳血管発作 (脳出血, 脳梗塞, くも膜下出血) の報告例が記載されている. 今回methylphenidate内服中に2回の脳出血を来した13歳男子を経験した. 6歳7か月からmethylphenidate 18mg, 9歳1か月よりatomoxetine 20mgを毎日内服していた. 10歳9か月時に意識障害を生じた. 頭部CTでは左側頭葉に出血が認められた. 血圧, 身体所見, 血小板数, 凝固能, 抗核抗体, 頭部MRIやMRAでは異常所見はなかった. 保存的加療で1か月後の頭部CTでは出血像は消失していた. 薬剤性を考慮し2剤を中止したが, 多動や集中力低下が著明であり出血3か月後からmethylphenidateのみを再開した. 後遺症なく経過していたが, 12歳11か月時トランペット吹奏中に同部位に再出血を来した. 脳血管造影検査では器質的疾患の存在は否定的であった. Methylphenidateは構造や作用がamphetamineに類似している. Amphetamine使用例での脳血管発作の報告例は散見する. 機序として, 血管炎, hypertensive spikesや脳血管奇形の破綻が報告されている. 本症例では, これらの所見は指摘できなかったが, methylphenidateは稀に脳出血を来しうることを考慮する必要がある.