著者
林 安里 熊田 知浩 野崎 章仁 日衛嶋 郁子 宮嶋 智子 藤井 達哉
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.288-293, 2013 (Released:2014-10-11)
参考文献数
12

【目的】ケトン食療法中は微量元素が欠乏しやすい. しかし, 特殊ミルクであるケトンフォーミュラ (明治817-B) を使用したケトン食療法中の微量元素の欠乏に関する報告はない.  【方法】ケトンフォーミュラを用いたケトン食療法を行った6人における治療前と6カ月後の血清セレン, 亜鉛と銅濃度の変化を調べた. おのおのの1日摂取量を調べた.  【結果】セレンの血清濃度と1日摂取量は有意に低下した. 亜鉛と銅の血清濃度は有意には低下しなかったが, 1日摂取量は低下した.  【結論】ケトンフォーミュラを用いたケトン食療法中は血清セレン濃度が低下, セレン, 亜鉛と銅の1日摂取量の減少を認め, 定期的な評価と不足例での補充が必要である.