著者
宮川 優一
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.52-54, 2018-04-10 (Released:2018-05-18)
参考文献数
13
著者
宮川 優一
出版者
日本獣医腎泌尿器学会
雑誌
日本獣医腎泌尿器学会誌 (ISSN:18832652)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.23-29, 2018 (Released:2018-05-11)
参考文献数
30

腎性貧血は、進行した慢性腎臓病(CKD)のイヌおよびネコで一般的に認められる合併症である。腎性貧血は、ネコでは生存期間の短縮と関連しており、重度の貧血はCKD症例のQOLの低下と関連すると思われ、腎性貧血を把握し、改善することは、CKD症例のQOLの改善、そしてCKDの進行抑制、生存期間の延長につながることが期待される。主要な腎性貧血の原因は、腎臓でのEPOの産生が低下することであるが、機能的および絶対的な鉄欠乏も腎性貧血の発生に関与する。そのため、腎性貧血の治療には、EPO製剤に加えて鉄補給も行われる。しかし、獣医療では腎性貧血の鉄欠乏に関する研究、知識が不足し、そしてその治療法は確立されていない。今後、腎性貧血に対する適切な診断法およびその治療法の確立が必要である。
著者
中宮 英次郎 宮川 優一 戸田 典子 冨永 芳信 斉藤 るみ 住吉 義和 高橋 真理 徳力 剛 前澤 純也 三原 貴洋 竹村 直行
出版者
獣医循環器研究会
雑誌
動物の循環器 = Advances in animal cardiology (ISSN:09106537)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.41-47, 2011-12-01
参考文献数
12

2歳6カ月齢,去勢オスのノルウェージャン・フォレスト・キャットを各種検査に基づいて肥大型心筋症と診断し,エナラプリルの投与を開始した。第1357病日に左房の高度な拡大が見られたため,ダルテパリン療法を追加した。さらに,第1616病日に左房内に spontaneous echo contrast (SEC) が,そして第2155病日には左心耳内に血栓形成が認められた。本症例は第2229病日に死亡した。SECは拡大した左房内での血液うっ滞により生じ,ヒトでは心房内での血栓形成または血栓塞栓症の危険因子と考えられている。獣医学領域ではSECの臨床的意義に関する記載は極めて限られている。本症例はSECが確認されてから613日間生存したことから,血栓予防療法を含む心不全療法が的確に実施されれば,SECは必ずしも予後不良を示す所見ではないと考えられた。