著者
宮村 直宏
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.7, pp.520-526, 2007-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

醤油, 味噌など醸造発酵物, チーズ, 天然だしなどが「コク味」を付け,「おいしさ」を向上させることはよく知られている。著者には,「おいしさ」の中にある「コク味」の概念について, その表現方法および「コク味」を付与する調味料などについて長年の試験・研究を基に, 詳細に解説頂いた。適切な「コク味」付与による「おいしい」食品づくりに大いに参考になるものと思われる。
著者
黒田 素央 山中 智彦 宮村 直宏
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.175-180, 2004-08
被引用文献数
2

多くの食品は、加熱処理により調製され、提供される。この加熱工程において、食品タンパク質の変性、食品素材からの成分溶出、メイラード反応をはじめとする化学反応など、多くの反応が起こり、食品の呈味が形成されると考えられている。このような食品の中で、スープやソースなど、食材を煮込むことによって調製する食品においては、長時間の加熱によって、特有の香り、風味が発現・増加することが知られている。これらの中で加熱により「コク味」と呼ばれる風味質が増加することが観察されている。本稿では、食品の「コク味」を表現するための用語の整理とコク味表現モデルについて概説を行った後、加熱によって「コク味」が向上する例として、牛肉スープストックあるいは牛肉エキスを取り上げ、最近の研究例について紹介する。具体的には、牛肉スープストックの加熱中に生成し、牛肉スープ特有の「あつみのある酸味」を付与しうる低分子「コク味」成分の研究例および牛肉エキス中の「コク味」(持続性、濃厚感、広がり)に寄与する高分子成分の解析例と加熱に伴う構造変化について、いかに詳述する。
著者
黒田 素央 山中 智彦 宮村 直宏
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.175-180, 2004
参考文献数
9
被引用文献数
2

多くの食品は、加熱処理により調製され、提供される。この加熱工程において、食品タンパク質の変性、食品素材からの成分溶出、メイラード反応をはじめとする化学反応など、多くの反応が起こり、食品の呈味が形成されると考えられている。このような食品の中で、スープやソースなど、食材を煮込むことによって調製する食品においては、長時間の加熱によって、特有の香り、風味が発現・増加することが知られている。これらの中で加熱により「コク味」と呼ばれる風味質が増加することが観察されている。本稿では、食品の「コク味」を表現するための用語の整理とコク味表現モデルについて概説を行った後、加熱によって「コク味」が向上する例として、牛肉スープストックあるいは牛肉エキスを取り上げ、最近の研究例について紹介する。具体的には、牛肉スープストックの加熱中に生成し、牛肉スープ特有の「あつみのある酸味」を付与しうる低分子「コク味」成分の研究例および牛肉エキス中の「コク味」(持続性、濃厚感、広がり)に寄与する高分子成分の解析例と加熱に伴う構造変化について、いかに詳述する。