著者
宮狭 和大 坂内祐一 重野 寛 岡田 謙一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.181-192, 2006-01-15

複合現実感技術を用いて現実空間に仮想物体を重畳させることで,産業分野などにおける作業をシミュレーションすることができる.そのような作業の映像記録を参照することで作業の把握が可能であるが,作業映像を基にして作業の把握を試みる方法では,作業把握に有効な場面を知る指標が得られず,また3 次元情報の把握が困難なため,効率の良い十分な作業把握を行うことが難しい.そこで本稿では,作業者が装着しているビデオシースルーHMD からの映像に加え,作業者による仮想物体の操作情報および作業者と仮想物体の位置・姿勢情報を記録し,それらを関連付けて可視化することにより,MR 空間で行われた作業の把握を支援することを提案する.そして提案概念を実現する作業把握支援システムMR Work Visualizer を構築し,その有用性を評価した.
著者
宮狭 和大 坂内祐一 鈴木 雄士 玉木 秀和 重野 寛 岡田 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.134-147, 2007-01-15
被引用文献数
1

実物体に基づいた遠隔コラボレーションでは,遠隔の実空間の間に存在する空間構造の差異を考慮する必要がある.特に既存システムではそれぞれの空間にシンタックスの異なる実物体を配置し,作業対象としてコラボレーションするものが存在しなかった.そこで本研究では,物体の表面に柔軟に貼り付けることができる「シール」の性質に着目し,これを複合現実感(MR)技術と組み合わせた手段として,仮想のシールを遠隔のそれぞれの実物体に基づいて貼り付けることで,実物体の間に存在するシンタックスの違いを吸収してユーザによる作業のセマンティックスを共有する手法を提案する.そして,実物体に対するポインティング機能を有したプロトタイプシステムを実装し評価実験を行った結果,シンタックスの異なる実物体間で,作業の情報をその意味を損なわずに共有できることが確認された.In remote collaboration based on real objects, the difference of the space structure between the remote real spaces should be considered. In conventional method it is difficult for users to collaborate based on the real objects which differ in syntax each other. To address this issue, we focus attention on a sticker or a sheet which can be attached on a physical object according to its surface. And as a method which Mixed Reality (MR) technology is combined with it, we propose an information sharing method of semantics which each remote user interacts with a real object, by using virtual sheet which can be attached to each real object according to its surface and can absorb the difference in syntax between these real objects. Then we implemented a prototype system which has pointing function and conducted experimentation. As a result it proved that it is possible to share the information of the interactions without losing the meaning between the real objects which differ in syntax each other.
著者
宮狭 和大 坂内祐一 重野 寛 岡田 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.181-192, 2006-01-15
被引用文献数
2

複合現実感技術を用いて現実空間に仮想物体を重畳させることで,産業分野などにおける作業をシミュレーションすることができる.そのような作業の映像記録を参照することで作業の把握が可能であるが,作業映像を基にして作業の把握を試みる方法では,作業把握に有効な場面を知る指標が得られず,また3 次元情報の把握が困難なため,効率の良い十分な作業把握を行うことが難しい.そこで本稿では,作業者が装着しているビデオシースルーHMD からの映像に加え,作業者による仮想物体の操作情報および作業者と仮想物体の位置・姿勢情報を記録し,それらを関連付けて可視化することにより,MR 空間で行われた作業の把握を支援することを提案する.そして提案概念を実現する作業把握支援システムMR Work Visualizer を構築し,その有用性を評価した.Mixed Reality technology, which merges virtual objects into the real world, enables to simulate several works. Though it is possible to get the video from the video-see-through HMD that the user is wearing, it is not sufficient to analyze the work. We propose a new method to analyze the work in Mixed Reality space visualizing information about the worker and virtual objects connected with the video. We have implemented a work analysis support system called MR Quick Analyzer, and we evaluated the usability of the system.