著者
佐藤 千晶 斉藤 公男 宮腰 尚久 島田 洋一
出版者
秋田医学会
雑誌
秋田医学 = AKITA JOURNAL OF MEDICINE (ISSN:03866106)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.39-42, 2019-06-30

Sternal segment dislocation is rare in children, with only several cases reported in the literature. We present a case of sternal segment dislocation in a six-year-old boy. He was initially treated with closed reduction, however, complete re-dislocation occurred a week later. Although rotation of the dislocated segment was 58°, the segment was stable with sonography. Then, he was treated conservatively. A year after the injury, remodeling of the dislocated segment was achieved.
著者
若林 玲奈 宮腰 尚久 土江 博幸 永澤 博幸 島田 洋一
出版者
東日本整形災害外科学会
雑誌
東日本整形災害外科学会雑誌 (ISSN:13427784)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.483-486, 2019 (Released:2020-01-29)
参考文献数
14

BCG接種後の副反応に関してはさまざまな報告がある.今回BCG接種後に右肋骨骨髄炎を生じた症例を報告する.症例は1歳9ヵ月,男児.生後5ヵ月でBCGを接種し,1歳8ヵ月で右前胸部の腫瘤を触知した.切開生検による病理組織学的検査にて,乾酪壊死と多核巨細胞の出現を伴う類上皮細胞肉芽腫を認め,BCG接種後骨髄炎と診断した.イソニアジドとリファンピシンを内服することにより治癒している.
著者
宮腰 尚久
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.203-208, 2013-09-30 (Released:2015-06-30)
参考文献数
20

高齢者の骨折を防ぐには,転倒を予防することが必須である.高齢者の転倒は,身体運動機能の低下のほか,視覚機能の低下や認知機能の障害などのさまざまな要因によって生じるが,身体運動機能には,少なからずビタミンDが関与していると考えられている.これまでの研究により,血中25(OH)D濃度が低い高齢者は,身体運動機能が衰え,転倒しやすい状態にあることが判明している.また,海外では,多くのランダム化比較試験を用いたメタアナリシスによって,ビタミンD(天然型および活性型)投与による有意な転倒予防効果が示されている.このような,ビタミンD投与による転倒予防効果は,ビタミンDの投与量が十分であり,血中25(OH)D濃度が高く維持された場合に発揮されやすい.ビタミンDによる転倒予防効果は,主に,筋に対する作用によって生じると考えられるが,その作用機序には,genomic作用とnon-genomic作用のふたつが存在する.われわれの研究では,ラットのステロイド誘発性ミオパチーモデルにおいて,アルファカルシドールは,筋張力を維持し,筋疲労を抑制し,ステロイド薬によって生じた筋委縮を部分的に抑制していた.今後は,ビタミンDの転倒予防効果に関して,わが国における臨床でのエビデンスの蓄積とともに,さらに詳細な機序の解明が望まれる.