著者
宮重 徹也
出版者
日本経営学会
雑誌
經營學論集 第89集 日本的経営の現在─日本的経営の何を残し,何を変えるか─ (ISSN:24322237)
巻号頁・発行日
pp.F13-1-F13-7, 2019 (Released:2019-09-26)

本研究では,バイオ医薬品企業のパイオニアであるアムジェン社とジェネンテック社の 2社の事例から,バイオ医薬品の研究と開発が規模的に分離する傾向にあることを明らかにする。 まずは,医薬品企業の研究開発を分析した既存研究をまとめるとともに,低分子化合物医薬品とバイオ医薬品のそれぞれの研究開発プロセスを説明のうえ,バイオ医薬品の研究開発における特質を示す。続いて,バイオ医薬品企業であるアムジェン社の計量分析から,バイオ医薬品の研究と開発が規模的に分離していることを明らかする。さらに,アムジェン社とジェネンテック社の事例分析から,バイオ医薬品の研究と開発が規模的に分離していることを明らかにしていく。なお,アムジェン社については独立企業であり計量分析データが収集できたが,ジェネンテック社はロシュ社の子会社となっており,同社単独の計量分析データが収集できなかったため,計量分析は実施していない。