著者
家木 康宏
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 (0xF9C1)人文科学 (ISSN:03893448)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.73-85, 1999-01

アガサ・クリスティの作品には, 彼女の生まれ育ったデヴォン州が舞台としてよく登場する. 本稿は家木[1997]の続編であり, デヴォン州, コンウォール州など, クリスティの物語の舞台とその記述の関係を, 実証的に論じたものである. 彼女の物語に現れる地名は, 彼女がよく知っていた場所を描いたものと, 名前だけを借りたものとの2種類がある. また, 特に特定のモデルを持たず, いわゆる「メイヘム・パーヴァ」の概念に基づいて描写されている場所も多い. それと同時に, 物語の中で重要な役割を演じることがある鉄道についてのクリスティの知識についても引き続き論じたい.