著者
家本 真実
出版者
摂南大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

アメリカ著作権法では、他人の著作物を許諾を得ずに使用し、新たな著作物を制作しても、フェア・ユース(公正な使用)であるとされれば著作権侵害とならないことを定めている。しかしどのような場合にフェア・ユースだと判断されるのかを先例から見極めることは非常に難しく、実務においてこの法理が役立っているといえるのか、議論になることも多い。そこでこの研究では、著名な芸術家の現代アート作品をめぐっておこなわれた裁判をフェア・ユースが争われる最近の事例の1つとして取り上げて検討し、芸術のコミュニティにおいて他人の作品を使用する際の指針としては不十分であり、さらなる判決の積み重ねが必要であることを明らかにした。