著者
家田 章子 福島 智子
出版者
桜美林大学
雑誌
桜美林言語教育論叢 (ISSN:18800610)
巻号頁・発行日
no.7, pp.163-174, 2011

高校における外国につながる生徒たちへの学習支援は、小中学校に比べて十分な対策がされているとは言いがたい。このような状況を改善するため、首都圏のある公立高等学校における学習支援の一つとしてeラーニングの積極的な活用を試みた。具体的なコンテンツはMoodle の小テストの機能を使ったもので、日本語支援としては、これまで行ってきた漢字に加え自動詞・他動詞を、教科支援は現代史の用語を扱った。日本語支援については、自学自習型の教材ではなく、一度授業等で学んだものを練習を通して確認するという位置づけである。対面授業を補う教材として導入したもので、いわゆるブレンディッドラーニングと言われる(宮地2009)学習スタイルである。事前にeラーニングのレディネス調査、学習の効果を確認するための調査として自他動詞の理解度と現代史の用語知識の確認を行い、教材を試用した。授業時間外での学習機会の提供や各自のレベルにあった学習が可能になるなど、 ブレンディッドラーニングによる支援の可能性を実感できた一方で、コンテンツの充実、高校教員との連携など多くの課題が残された。