著者
閏間 正雄 富森 美緒
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.218-221, 1979-06-25 (Released:2010-09-30)

被服の長期着用時に生じるテカリと被服の製作過程中で受ける布地のアイロン, プレス時に生じるテカリについて, 女子学生を対象としてアンケート調査を行なった。その主な結果は, 次の通りである.1) 着用テカリ, プレステカリとも被調査者の多くが経験している.その割合は, 着用テカリの方が大である.2) 着用テカリの経験者の多くは, その発生が被服を着用して2年以内にみられたとし, また被服の種類には, 学生服上着, 同スカート, スラックス類をあげた.3) 着用テカリの発生した被服の部位は, 主として, ひじ, 尻部等であった.4) 着用テカリの発生した被服の色は, 主として紺, 黒また, 被服の素材は主として毛に, 布地組織は主として斜文織にみられた.5) プレステカリの発生した布地の色は, 主として紺, 黒等, また布地の素材は主たる毛, 毛/ポリエステル混紡のほか綿, ポリエステル等, 布地組織は主たる斜文織のほかクレープ, ジャージー等であった.6) 着用テカリ, プレステカリの両テカリ発生の実態には, 被服や布地の色, 素材, 組織の点で有意な差があった.
著者
閏間 正雄 富森 美緒
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.21, no.10, pp.438-442, 1980

本研究では, 同一被服地試料群では同一諸元よりなる色違いの被服地を試料として採りあげた.これら被服地の色がしわの官能評価に与える影響について考察を行ない次のような結果を得た.<BR>1) 一部の試料群を除き, いずれの被服地試料群とも, しわの官能評価値は, 各試料問にて高度の有意差を示し被服地の色によって, しわの判断, 評価が異なることを示した.<BR>2) 被服地試料群のしわの官能評価値と試料の明度との間には, 一部の試料群を除き, いずれの試料群でも正の相関々係が認められた.即ち, 明度の高い色に対して, 評価が高く, 明度の低い色に対して, それは低い関係にあった.一方, しわの官能評価値と試料の彩度との間には, いずれの試料群でも, 何ら相関々係は認められなかった.