- 著者
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小林 克巳
富沢 直樹
荒川 和久
須納瀬 豊
竹吉 泉
- 出版者
- 日本腹部救急医学会
- 雑誌
- 日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.3, pp.631-635, 2013-03-31 (Released:2013-06-07)
- 参考文献数
- 19
- 被引用文献数
-
2
中結腸動脈瘤破裂により腹腔内出血をきたした2症例を報告する。症例1は60歳男性。腹痛で救急搬送され,腹部CTで腹腔内出血を認めた。血管造影検査で中結腸動脈瘤からの造影剤漏出があり,緊急手術を行った。腹腔内に多量の血液貯留と横行結腸間膜に巨大な血腫を認めた。中結腸動脈左枝より出血があり,同部を結紮し横行結腸切除術を行った。症例2は55歳女性。上腹部痛で前医を受診中にショックとなり,当院へ緊急搬送された。初期輸液に反応し血圧が上昇したため造影CTを行ったが,その後再びショックとなり,挿管後大動脈遮断バルーンを挿入し,緊急手術となった。出血部位の同定は困難であったが,横行結腸間膜付近が巨大血腫となっており,中結腸動脈根部を結紮し結腸間膜を左半結腸とともに切除した。2症例とも病理組織検査で,中結腸動脈の内弾性板の破壊と解離があり,周囲に血腫を伴っていたため,SAMによる動脈瘤破裂と診断し得た。