著者
實吉 純一
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.4, no.12, pp.1-7, 1944-02-08
被引用文献数
3

音波又は超音波の反射を考察するに當つて反射面の大さが波長に比して相當大きくなければ幾何光學的の反射を考へ得ない事は常識であるが、その限界の条件を明確にするため、本研究では點音源からの球面波が有限の剛平面に反射する場合の音源位置の反射波の強さの計算式を導いた。又種々の曲面からの反射波の計算式も求めた。實驗は93kcの水中超音波を用ひて圓板及び正方形板の反射を實測し、理論結果を定性的に確かめた。
著者
實吉 純一
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.11-18, 1940-04-30 (Released:2017-06-02)

受話器を耳に密着して弱音を聽取してゐるとき、強烈な衝撃音のために耳の痛い事が屡々ある。この衝撃音は通常の音聲等に比較して電壓値が非常に大であるから、簡單な電壓制限器を用ひれば音聲を損ふことなく衝撃音の波高のみを削り取って耳の苦痛を完全に除き得る事を示した。又衝撃音に對する聽覺現象に關して、毎秒4乃至40の衝撃音を與へた場合の耳の苦痛及隱蔽現象の觀察より、可覺及可聽限界(Threshold of feeling と threshold of hearing)が衝撃音のために上昇し、衝撃音の終りたる後それらが恢復するには0.1〜0.2秒程度の時間を要する事を論じた。