著者
中尾 智博 村山 桂太郎 樋渡 昭雄 實松 寛晋
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ためこみ症17名と、年齢・性別をマッチさせた強迫症患者、健常対照群それぞれ17名が本研究に参加した。3群の灰白質体積に差が存在するかを調査した。3群の平均年齢はそれぞれためこみ症:43.9±11.5歳、強迫症:39.9±9.0歳、健常対照群:42.4±10.4歳だった。分散分析において、右前頭前野で3群の間に有意な体積の差異を認めた。OCDと同様に、HDは認知機能障害をその基礎として有すると考えられている。 この結果は、HDの臨床的特徴を考慮した上で説得力があり、前頭前野領域の構造異常がHDの病態生理学に関連する可能性が示唆された。