著者
村山 桂太郎
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
pp.21-015, (Released:2022-07-12)
参考文献数
14

注射恐怖症の患者に対してApplied Tension法(ApT)を施行した際、患者の生理学的指標を継時的に測定しそれを共有した事が、治療の進展に寄与したと考えられたため報告する。患者は20歳代の女性で、採血や点滴時に気分不良が生じるため、病院受診を長期間回避していた。治療は曝露法と筋緊張法を組み合わせたApTを用いた。治療者は、気分不良の原因である循環動態の変化を脈拍数と血圧値という客観的なデータとして測定した。測定は曝露前、曝露時、筋緊張法施行時と継時的に行い、ApT後にその推移を患者と共有した。12セッションを経て採血時の気分不良は生じなくなり、採血に対する患者の不安は消退した。10週間後のフォローアップセッションでも気分不良の再燃はなかった。ApTにおいて脈拍数と血圧値の推移を患者と共有することで患者自身が病態と治療の仕組みについて理解が進み、治療の進展に寄与できたと考えられた。
著者
中尾 智博 村山 桂太郎 樋渡 昭雄 實松 寛晋
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ためこみ症17名と、年齢・性別をマッチさせた強迫症患者、健常対照群それぞれ17名が本研究に参加した。3群の灰白質体積に差が存在するかを調査した。3群の平均年齢はそれぞれためこみ症:43.9±11.5歳、強迫症:39.9±9.0歳、健常対照群:42.4±10.4歳だった。分散分析において、右前頭前野で3群の間に有意な体積の差異を認めた。OCDと同様に、HDは認知機能障害をその基礎として有すると考えられている。 この結果は、HDの臨床的特徴を考慮した上で説得力があり、前頭前野領域の構造異常がHDの病態生理学に関連する可能性が示唆された。