著者
平松 一彦 寺内 一美
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.288-294, 2020-07-15 (Released:2020-08-05)
参考文献数
23
被引用文献数
2

マサバ対馬暖流系群のVPAによる資源評価では,毎年資源量推定値が下方修正されるレトロスペクティブパターンが存在した。このVPAでは年齢別漁獲尾数と資源量指標値がデータとして用いられ,自然死亡係数一定,漁具能率一定等が仮定されている。パターンが生じる原因を探るため,VPAで使用されるデータや仮定を変更してレトロスペクティブ解析を行いパターンの変化を見た。結果は,資源量指標値を用いない場合及び漁具能率の年変化を仮定した場合パターンがほぼ無くなり,漁具能率一定の仮定が原因となっている可能性が示された。