- 著者
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平松 一彦
- 出版者
- 公益社団法人 日本水産学会
- 雑誌
- 日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
- 巻号頁・発行日
- vol.88, no.5, pp.407-408, 2022-09-15 (Released:2022-09-29)
- 参考文献数
- 6
- 被引用文献数
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1
加入変動を考慮した資源動態シミュレーションにおいて,バイアス補正項を考慮した対数正規分布が使われることが多い。しかし,加入尾数の変動が過程誤差であれば,バイアス補正により本来の加入尾数の変動と同じ分布は再現できない。一方,観測誤差による見かけ上の変動であれば変動させる必要がない。最大持続生産量(MSY)の推定において,バイアス補正は行わず実際の変動のみでシミュレーションを実施し,バイアス補正ありの結果と比較した。バイアス補正を行う現在の推定方法では,MSY等を過小または過大評価する可能性がある。