著者
寺田 勇文
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究では、近年増加しつつあるブラジル、ペルー、フィリピンなど外国からの移住者に焦点をあて、かれらの日常の宗教生活、宗教実践のありかた、その問題点、ひいては日本社会における多文化共生等を実現していく上での問題点、課題を検討することを目的としている。調査にあたっては、とくにカトリック教会東京大司教区を事例とし、参与観察、関係者に対するインタビューを通じて、宗教実践のありかたを把握するように努めた。その結果、とくにフィリピンの人々が東京大司教区の教会において、フィリピン人共同体を形成し、英語またはフィリピン語のミサに出席するなどして定期的に活動をつづけていることが理解された。ただし、これらのフィリピン人共同体の多くは、たとえ同じ教会のなかにあっても日本語ミサを中心とする日本人の共同体とはほとんど接触を持たずに活動しており、言語や民族的背景をこえたより統合的な教会共同体の実現には至っていない。日本人信徒とフィリピン人信徒とは同じカトリック教会に所属しているとはいえ、それぞれの国におけるカトリック信仰受容の歴史、教会形成の歴史的背景が異なり、社会における教会の位置づけ、社会的空間としての教会の利用のしかたにも違いがみられ、さらに信心業などの点でも大きな差異がみられる。この研究においては、主として外国人移住者(とくにフィリピン人)の立場から、現在の日本におけるカトリック共同体の現状を把握し、上述のような問題点を指摘している。
著者
寺田 勇文
出版者
上智大学
雑誌
上智アジア学 (ISSN:02891417)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.160-166, 1989

1989年7月13日から17日までフィリピンのケソン市で, 第3回フィリピン研究国際会議(The Third International Philippine Studies Conference)が開催された。会場は, ケソン市ディリマンのフィリピン大学キャンパス内にあるフィリピン社会科学センター(Philippine Social Science Center)であった。筆者はこの国際会議に出席する機会を得たので, 簡単に報告したい。
著者
寺田 勇文
出版者
京都大学東南アジア研究センター
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.426-441, 1982-03

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