- 著者
-
寺田 浩人
- 出版者
- 公益社団法人 日本薬学会
- 雑誌
- ファルマシア (ISSN:00148601)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.8, pp.777, 2021 (Released:2021-08-01)
- 参考文献数
- 2
2000年に合意された医薬品規制調和国際会議のICH-E11ガイドラインでは,「小児への使用が想定される医薬品については,小児集団における使用経験の情報の集積を図ることが急務であり,成人適応の開発と並行して小児適応の開発を行うことが重要である.」と記述されている.しかしながら,現在流通している医薬品のうち小児に対する用法・用量および安全性が確立されている医薬品は限られている.このことは,小児製剤開発が臨床試験だけではなく,小児に対する添加剤の安全性にも特段の配慮を必要とすることが一因であり,これらを考慮した製剤設計を行うことが課題である.ミニタブレットは,小児製剤で重要な用量調整を錠数で管理でき,用量調整に天秤等が必要な顆粒剤と比較して利便性が高いと考えられる.また,その小ささから通常の錠剤と比較して服用性の面でも有用である.本稿では,Freerksらの安全性に配慮した小児用ミニタブレットの製剤設計に関する研究報告を紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) 「小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンスについて」,PMDAホームページ.2) Freerks L. et al., Eur. J. Pharm. Biopharm., 156, 11-19(2020).