著者
飯村 真樹 鈴木 勝也 萩谷 恵二 寺門 正二 清水 秀昭
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.445, 2010

【はじめに】<BR>現在の病院運営は全国的に非常に厳しいものとなっている。思うように医業収益が伸びない状況であれば、それ以外の部分で対策を講ずることも必要である。当院で実際に運用している取り組みを紹介する。<BR>【経過】<BR>当院の所在する行方市でオムツを処分する場合、一般家庭から排出されれば一般ゴミとして処理されるが、病院から排出すると感染性医療廃棄物扱いとなってしまう。平成21年度における感染性医療廃棄物の処理費用 約970万円のうちオムツ処理代は約260万円、27%を占めている。少しでもオムツの処理費用を埋めるような対策が必要と考えた。<BR>【方法】<BR>これまでは入院患者家族にオムツを用意してもらっていたが、家族の了解を得た上で、農協の運営する病院内売店で用意したオムツを使用してもらうこととした。使用したオムツ代は枚数に応じて売店から患者へ直接請求し、入院会計精算時に院内の農協出張所で併せて支払っていただいた。売店には使用前のオムツを保管する倉庫を貸すこととし、払い出したオムツの売り上げ金額の20%を倉庫賃貸料として毎月徴収した。<BR>【結果】<BR>売店からは月平均7~8万円程度の倉庫賃貸料を徴収できている。オムツ処理代が減ったわけではないが賃貸料収入が単純計算で年間100万円程度得られた計算になる。オムツの処理費用を埋める対策として効果は十分であった。<BR>【考察】<BR>これまで患者家族からは「どんなオムツを用意してよいか分からない」「買いに行く暇がない」などの意見があったので導入後は好評のようだ。オムツ交換作業の負担も軽減しスタッフの評価も高く、また経費削減の意味でも効果は十分であったと思われる。ただし、月数千円から数万円にもなる棚卸差損を減らすことが今後の課題である。<BR>【まとめ】<BR>経費削減につながるような対策を今後も検討していきたいと思う。<BR>